特集四国にキュン。

2023.07.04

名物金ちゃんヌードル・ラーメン、本格キムチ、半田素麺…。これぞ阿波の国・徳島の心躍るグルメ


えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、阿波の国へ

ごまがおいしい!と聞けば、「ごま油の四季」編集部は日本全国どこであろうとそこを目がけて飛んでいきます。今夏、注目しているのは四国。その名の通り、香川、徳島、愛媛、高知の四県があり、人も食も、そして土地が醸しだす雰囲気もそれぞれ個性的です。ごまを巡る四国の旅は、すばらしい食材に恵まれ、うどんあり、ラーメンあり、スイーツ、中華、天ぷらあり… とバラエティ豊か。味わいはどことなくやさしく、ちょっと甘口な風味が記憶に残ります。出会いや笑顔に感謝し、おいしい四国特集をお届けします。

一度食べたら、忘れない!徳島、攻めの美味

E-yo 徳島

プロデューサーの田井文枝さんがテレビのリポーターとして徳島各地を回った経験を生かし、そこで出会った素材や人を世界に向けて発信するECサイト「E-yo徳島」。食だけでなく、お遍路グッズなども人気です。
リピーターが多い冷凍ミールキットは、調理から発送まですべて自社でていねいに手がけ、ミネストローネや鍋物のほか各種おかず40品ほどをラインナップ。今回ご紹介する徳島の素材が具だくさんの旨油は新商品です!

SPOT

E-yo 徳島

所在地:徳島県阿南市長生町平田20-1
電話:0884-24-8083
https://www.e-yo-tokushima.net/
ウェブサイトにオンラインショップあり。旨油は徳島県内では佐那河内の府能商店で販売

魚谷キムチ

まるでキムチのデパート!各種キムチ、韓国そうざい

韓国から日本に嫁ぎ、故郷の味を求めてキムチをつくるようになったのが30年前。今では徳島を代表する名店と呼ばれるようになりました。「ごま油は韓国料理では塩、コショウのように味つけに必要な材料。すべての料理がごま油味ではありませんが、たとえ目立たなくても、料理の味を支えるのにすごく大事です」と文美蘭さん。50品を超えるキムチや韓国そうざいはすべて店舗奥の工場で手づくり。ただよってくるごま油の香りが食欲をそそります。

高菜キムチ(上)、ピリ辛くきわかめ・日本チャンジャ(右中)、万能キムチ(右下)、さきいか(左中)、海苔の佃煮・さば味噌(左下)味わいはさまざま、どれも美味。すべて濃口のごま油で味を調える。「マルホン胡麻油なら、私が韓国で食べて育った味と同じになります」と文さん。
きざんだ白菜キムチと濃口のごま油を和えた万能キムチは、納豆と最高の相性。

SPOT

魚谷キムチ

所在地:徳島県徳島市佐古五番町12-4
電話:088-622-4177
営業時間:9:00~18:00
休業日:日
http://www.uotani-k.jp/
ウェブサイトにオンラインショップあり

徳島で愛されスイーツ&パン

エムズセーヌ

徳島の人気ベーカリーでごまの新作パン登場!

一日にミニクロワッサンが2000個売れる「エムズセーヌ」。パンが好きでたまらないというオーナーシェフの水口信雄さんが毎日60品ものパンを焼いています。健康を意識して使うようになった太白胡麻油入りの商品が新発売です!

ごまのダノワーズ(300円)はごまカスタードを詰めたダノワーズに、黒ごまとオレンジピールのクッキーを重ね合わせた贅沢な新作。サク&カリの2つの食感が斬新。
豆乳と太白胡麻油のソフトハース(520円)。太白胡麻油と豆乳を配合したしっとり、ふわりとした生地で、カスタードクリームに白ねり胡麻を混ぜたごまカスタードを巻きこむほんのり甘いパン。

プロ向けのレシピはコチラからどうぞ!
http://gomashiki.gomaabura.jp/content/uploads/2023/06/2.pdf

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エムズセーヌ

所在地:徳島県徳島市川内町榎瀬495 1F
電話:088-665-6033
営業時間:10:00~19:00
休業日:月、火

徳島 麺マップ

徳島製粉

超ロングセラー!金ちゃんシリーズ

一度みたら忘れられない、ポップでレトロなデザインの金ちゃんラーメン・ヌードル。徳島の家庭にはかならずあるといわれるソウルフードですが、全国にもファン多し。金ちゃんシリーズが誕生したのは昭和40年代。製造元の徳島製粉が小麦粉の消費量を増やすために、インスタント麺を手掛けたのがはじまりですが、今では発売から50年を超えるロングセラーになりました。そのおいしさのカギは「100点じゃなくて、おいしい度合6~8割の味を採用する」こと。ちょっと物足りないくらいのさっぱり味が、また食べたいと思う気持ちを駆り立てリピーターを生むのです!

金ちゃんヌードル
ソウルフード!これが王道の何度食べても飽きない、醤油味の金ちゃんヌードル。麺に香ばしい味つけをほどこし、満足度大。かやくの大きなエビ、噛むとうまみがあふれるシイタケで他社製品と差別化。スープを飲み干し、一杯食べきったときのさっぱりしたおいしさは計算し尽くされたもの!
見かけはレトロでも、カップは機能的。二重構造なので手が熱くなく、ぴったり閉まるプラスチックのフタは保温性も◎。パッケージ印刷は環境に配慮したバイオマスインキを使用。

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徳島製粉(株)

所在地:徳島県徳島市南二軒屋町3-1-8
電話:088-622-9186
https://www.kinchan.co.jp/

徳島のかくれた名品、素麺紀行

白滝製麺

江戸時代の名産品案内「日本山海名物図会」には、素麺について書かれた一節に「又阿波より出づるもの名産なり。三輪さうめんにおとらず。」と記されています。三輪素麺にも劣らないと評されたのが半田素麺です。産地の半田(現在の徳島県美馬郡つるぎ町)は吉野川が流れ、物流が盛んなエリアでした。奈良で素麺づくりをみた船頭が半田で素麺をつくったところ、山間の盆地の地形が合い、そのまま素麺が定着。素麺にしては太いのは、見様見真似で技術が追いつかなかったのではないかといわれていますが、それがいつの間にか半田素麺の特徴となりました。現在、半田素麺を製造するのは30社ほど。素麺の材料は小麦粉、水、塩のみで、実は細く延ばす際に用いる油の存在が大きいのです。「ごま油が大事」と、白滝製麺の代表取締役・森岡太悟さん。手延べの生地の乾燥を防ぐために、太白胡麻油を綿実油と合わせて使用し、繊細な風味をつくりだしています。

素麺は練った生地を切らず、延ばして細い麺状にする。熟成させながら、数回に分けて延ばしていく。
最終的に細く延ばした後、一晩おいてゆっくり乾燥させ、長さを切り整えて半田素麺のできあがりとなる。工房でゆらめく素麺の光景は美しい。
そうめんとは思えないほど太い半田素麺。白滝製麺の製品はもちっとコシが強く、噛みごたえがあり、なめらかでツルリと喉ごしがいい。冷やし素麺は干し海老とイリコのダシを半々程度に合わせた甘めのつゆに、スダチを絞るのがこの辺りの定番の食べ方。
白滝製麺の手延べそうめん(10束1670円など)。半田素麺は製造量がそれほど多くないので、全国で店頭に出回る量が少ない稀少品。コシがあるので、鍋やにゅうめんにしても煮くずれしにくく、パスタのような温かい料理にも向く。

SPOT

白滝製麺

所在地:徳島県美馬郡つるぎ町半田字下喜来193
電話:0883-65-0231
https://shirataki-seimen.com/
ウェブサイトにオンラインショップあり。道の駅貞光ゆうゆう館、道の駅みまの里などでも販売

(2023年夏の号掲載) 
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。