特集夏のセサミのファンタジー
2021.12.16
【セサミエピソードⅠ】2000年以上前にごま油を愛用。クレオパトラが愛したローズの香油の世界
夏のセサミのファンタジー
きっかけは、ごま研究で世界に知られる小林貞作先生の本でした。ごまが紀元前にアフリカ・サバンナで芽生え、長い時をかけて世界中に広がった壮大なストーリーがこと細かに、そして時にロマンたっぷりに語られ、まるでタイムトラベラーの気分でワクワクしながらごまヒストリーを学ぶことができました。
2000年以上前にごま油を愛用していたクレオパトラ、開け!ごまの呪文、夢が駆けめぐる大航海時代、テレビ番組「セサミストリート」の誕生……。歴史に登場するごまのエピソードは数知れません。
本特集では「ごま油の四季」編集部が選りすぐったファンタジーたっぷりのエピソード5編を、ごま料理のレシピとともにご紹介します。ごまのロマンあふれる世界をお楽しみください。
Cook by Maki Watanabe(Makiette)
【エピソードⅠ】絶世の美女クレオパトラが愛したローズの香り
男たちを魅了し、女王の座に君臨したクレオパトラ。ごま油は当時、儀式に使われた貴重品でしたが、クレオパトラはごま油に花びらを漬け込んだ「ローズの香油」を愛用していたとか。ローズとごまのアンチエイジング力を見抜いていたとは、さすが美の女王です。ドライローズと太白胡麻油でつくるローズオイルで、女子度が上がるこんな美活プレートはいかが。
RECIPE
ソラ豆のスパイス煮
材料/4人分
ソラ豆…250g 圧搾純正胡麻油…50ml 水…250ml ニンニクすりおろし小…1かけ分 パプリカパウダー…小さじ2 ジンジャーパウダー…小さじ1 ターメリックパウダー…小さじ1/2 塩…小さじ1 パクチーの茎のみじん切り…2株分(あれば)
- ソラ豆は薄皮の黒く硬い部分(お歯黒)を包丁で取りのぞく。
- 材料すべてを鍋に入れてひと混ぜし、中火にかける。軽く沸いたら火を弱め、フタを半がけにして10分煮る。火をとめてそのまま冷ます。
RECIPE
モロヘイヤのスープ
材料/4人分
モロヘイヤの葉…30g クミンシード、コリアンダーシード…各小さじ1/2 カルダモンシード…1粒 太香胡麻油…大さじ1 ニンニクのみじん切り…小1かけ分 玉ネギのみじん切り…1/4個分 ブイヨン…500ml 水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1と水小さじ2) 塩、コショウ…各少々 かけ旨ごま油 一番搾り…適量
- モロヘイヤの葉は包丁で細かくきざむ。コリアンダーシード、カルダモンシードはつぶす。
- 鍋に太香胡麻油とニンニク、玉ネギ、スパイス3種を入れて弱火で炒め、玉ネギが透きとおったらブイヨン、水溶き片栗粉を加える。かき混ぜながら煮立ったら塩、コショウで味を調え、モロヘイヤを加えてひと煮立ちさせる。
- 器に注ぎ、かけ旨ごま油 一番搾りをかける。
*冷やしても美味。
RECIPE
鶏とクルミの煮込み
材料/4人分
鶏モモ肉…2枚 玉ネギ…小1個 クルミ(ロースト)…60g 太白胡麻油…小さじ2+大さじ1 A[薄力粉…小さじ2 シナモンパウダー…小さじ1/2 粗挽き黒コショウ…小さじ1/4] B[水…300ml ザクロシロップ(またはバルサミコ酢)…大さじ1 サフランパウダー…ひとつまみ(あれば) 砂糖…小さじ1/2 塩…少々] ローズペッパー…適量
- 鶏肉は4つに切る。玉ネギは繊維を断ってスライスする。クルミは渋皮が多い場合は楊枝などで取り、2、3等分に割る。
- 太白胡麻油小さじ2で鶏肉を中火で両面焼く。
- 別に太白胡麻油大さじ1で玉ネギを弱火でうっすら色づくまで炒め、Aを加えて軽く炒める。②、B、クルミを加えて中火でフタをし、軽く沸いたら火を弱めてアクを数回取りながら約30分煮る。
- 鶏肉を取りだし、煮汁をハンドブレンダーにかけてなめらかにし、肉をもどす。
- 盛りつけし、ローズペッパーをちらす。
RECIPE
ローズの香りのヨーグルト
材料/1人分
プレーンヨーグルト…適量 ブドウ…2粒 ハチミツ…大さじ1 ローズオイル(→下記)…適量
- ヨーグルトとブドウを盛りつけ、ハチミツ、ローズオイルをかける。
RECIPE
ローズオイル
材料/約120ml分
ドライローズ…3g 太白胡麻油…120ml
- 密閉容器に材料を入れ、1日以上おいて香りを移す。3日くらいで香りがしっかりでる。
*ハーブティー用のドライローズを使用。香りがいいピンクローズがおすすめ。
※本企画は史実を参考に構成していますが、各エピソードのストーリーやレシピはオリジナルで考えたフィクションです。
※参考文献/
「ゴマ・スーパー健康法」小林貞作(ごま書房)
「ゴマの来た道」小林貞作(岩波書店)
「ゴマはなぜ身体によいのか」並木満夫(チクマ秀版社)
「図説 アラビアンナイト」西尾哲夫(河出書房新社)
「英雄たちの食卓」遠藤雅司(音食紀行)(宝島社)
「香料の道」山田憲太郎(中央公論社)
※協力/AWABEES、UTUWA
(2020年夏の号掲載)
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。