特集春を食べる
2026.04.28
春は、揚げもの。「目白 旬香亭」古賀達彦シェフがつくる、サクッと軽い海老フライの全テクニック公開!
「春は、あけぼの」ではじまる枕草子。このフレーズに掛けて「春は、揚げもの」を満喫します。油で揚げるのにどこか軽くまた食べたくなるやみつきのおいしさ。一度食べたら忘れられない名品ぞろいです。
シリーズリスト
目白 旬香亭[東京・目白]
春風がそよぐように軽やかなフライ
洋食界随一のおいしさを誇る「目白 旬香亭」。古賀達彦シェフの洋食はどれもていねいにつくられ、やさしい味わいにあふれています。海老フライもとにかく軽く、パン粉の表面はサクサクッとした歯ざわりで、口のなかではふわり。揚げた香ばしさとともに、海老の香りも立ちのぼり、それは幸せな気分になるのです。
「口当たりは軽く、油っぽさはないのに、パン粉に油のうまみがしっかりのっている。食べ疲れない軽さと、繊細すぎないバランスがフライの妙」
と古賀シェフ。揚げ油は新しいものよりも、むしろ何回か揚げて肉や魚介の香りや風味を含んだ状態が洋食のフライにとっては◎。ダシに調味料を入れると味が決まるのと同様で、ごま油をブレンドした揚げ油にうまみがあるので、どんどん味がのり、揚げ油自体がフライの調味料になるのだといいます。ここを押さえれば絶品になる!海老フライの全テクニックを、古賀シェフにていねいに解説してもらいます。
エビフライ


パン粉の衣がサクッとうまい海老フライ。ウスターソースをかけ、自家製タルタルソースとともに口に運ぶ口福。
RECIPE
エビフライ
材料/つくりやすい量
海老…4尾(長さ約12cm) 塩、コショウ…各少々 衣[薄力粉と天ぷら粉…9対1 卵(L)…1個 牛乳…35ml 生パン粉(粗め)…適量] 揚げ油…適量(太白胡麻油に太香胡麻油を2、3割ブレンド)
1. 海老は冷凍のブラックタイガーでOK。両側の脚の間に人さし指を入れ、尾側の1節を残して殻をむき取る。背側に包丁で切り目を入れ、背ワタを取る。


2. 脚のつけ根の残っている部分を包丁の刃先でこそげ取る。この部分はアクがあり、くさみの原因になるのでていねいに。

3. 尾の先端を斜めに切り落とし、中の水分を刃先でしごきだす。揚げているときのハネ防止と、揚げあがりをきれいなピンク色にするため。

4. ボウルに入れ、食用重曹(分量外)を表面全体にふる。ぬめりを感じるようになるまで手で約30秒もみ、水が透明になるまで何回かゆすぐ(1回目の水のにごりにびっくり!)。


5. よごれとアクがとれ、海老がプリップリに。

6. ペーパータオルで表面の水分をふき、軽く塩、コショウをふる。

7. 衣の準備をする。



8. 海老の尾をもって粉の上に置き、全面にたっぷりとまぶし、余分な粉を落とす。背の切り目の内側までていねいに。尾と残した殻にはごく薄く。

9. 尾をもち、頭側から卵液につけ、余分な卵液をよく切る。

10. そのまま頭側から生パン粉の上に置き、生パン粉をたっぷりとのせる。手にのせ、寿司をにぎるようにギュッギュッとにぎる。生パン粉がまわりにたっぷりついているので、力を入れてにぎっても海老はつぶれない。


11. 生パン粉をたっぷり、ふんわりとまとった海老。油の中に入れると多くが散り、だいたい1/3のパン粉が残る。

12. 揚げ油を火にかけ、165℃に熱する。旬香亭では平成のフライオイルC-1(コーン油と焙煎ごま油のブレンド・業務用)を使用。家庭では太白胡麻油に太香胡麻油を2、3割合わせるのがおすすめ。揚げ油のもちが断然よくなる。

13. 海老の尾をもち、頭側から油に入れる。素材を入れると油温が下がるので、火を強めて温度を上げる。一度にたくさん入れるのは温度が下がるのでNG。

14. 表面が固まってきたら、一度だけ裏返し、そのまま最後まで揚げる。鍋の中で油が対流する動きに合わせて海老の中でも水分が動いているので、その向きを乱さないように、なるべく触らずに揚げる。


15. 1分40秒揚げたら、取りだして網にのせる。油から取りだすときには温度が180℃まで上がっているように油温を調節するのがカリッとさせるポイント。
16. このまま余熱で1分40秒おく。油からだしたときがジャストに火が通ったタイミングだが、余熱調理でさらに少し火が通ったくらいがフライの一番おいしい火通り。「天ぷらとは火の入れ方がちがう」(古賀シェフ)。きちんと下準備したので、尾や身が明るいピンク色に。

軽くてサクサクだから、おかわり!
メンチカツ

粗めに挽いた和牛100%と玉ネギ、マスタードなどを練り、つなぎはなし。しっかり揚げ切ると、ふっくら、ジュワリと肉汁を感じる肉々しいメンチカツに。肉を噛み味わう幸せに浸る。
ラムカツ

月齢が高めの肉を選んでいるので、ラム好きにはたまらない風味満点。クミン塩の香味が抜群に合い、ラムの突き抜け感のある味わいをグンと引きだす。
アジフライ

上身と下身に分けたアジフライは、ふわりと身がほどけるよう。卵の風味がやさしい自家製タルタルと、好みでウスターソースでもとんかつソースでもいける。
馬カツ

馬のモモ肉を200℃で1分くらい、短時間でやわらかく揚げる。塩でもよし、スライス玉ネギとおろしニンニク、自家製の醤油で馬刺し風にも。5月いっぱいまで、要5日前まで予約(時価)で注文可能です!
SPOT
目白 旬香亭
所在地:東京都豊島区目白2-39-1 トラッド目白2F
電話:03-5927-1606
営業時間:11:00〜15:00(14:00L.O.)、17:00〜22:00(21:00L.O.)
定休日:不定
https://shunkoutei.jp/
海老フライ1ケ900円、メンチカツ1ケ900円、ラムカツ1900円など。「目白 旬香亭 丸の内」もある
(2026年春の号掲載)
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。