特集進化形のやすらぎスイーツ

2022.01.25

テリーヌは、テクスチャーも口どけも多彩!料理家、渡辺麻紀さんの大人なレシピをご家庭で!


芳しく、濃厚とろける。大人チャーミングなテリーヌ

パティスリーでも人気の四角いテリーヌ。オーブンでしっとり焼き固めたり、寒天やゼラチンでさまざまな食感に固めたり、多彩なテクスチャーや口溶けを楽しめます。人気の料理家、渡辺麻紀さんの魅力的なテリーヌのレシピをお届けします。

  • 材料はすべて7cm×18〜20cm×高さ7cmのパウンド型1台分。
  • 型には底と側面に紙(ベーキングシートなど)を敷く。

ショコラテリーヌ

口に入れると体温でとろーっと溶けるなめらかテクスチャー。つくり方はシンプルですが、カソナードのコクや圧搾純正胡麻油の濃厚なフレーバー、粉山椒の複雑な香りが重なりあい、濃密なトーンで融合します。ありそうで、食べたことがないショコラのテリーヌ。

食べる時は好みでゆるく泡立てた生クリームを添え、ここにも好みで圧搾純正をたらしてフレーバーを。テリーヌに入れた圧搾純正は香りだけでなく、しっとりツヤツヤの質感を生みだす。

RECIPE

ショコラテリーヌ

材料

クーベルチュール*…200g 無塩バター…90g 圧搾純正胡麻油…20g 全卵(室温)…100g カソナード…70g 薄力粉…5g 粉山椒…小さじ1/3 圧搾純正胡麻油…少々(焼成用) 仕上げ[ココア、粉山椒…各適量 圧搾純正胡麻油…適宜]
*チョコレートは好みのもので。このレシピではヴァローナ社のマンジャリ(カカオ分64%)を使用

  1. クーベルチュールは刻み、バターは小さく角切りにし、ボウルに入れる。圧搾純正も加え、湯煎にかけて溶かし合わせる。湯煎の温度は50℃を超えないように。
  2. 別のボウルに全卵とカソナードを入れ、湯煎にかけて空気を入れないよう混ぜながら室温まで温める。
  3. 薄力粉と粉山椒をふるい合わせてよく混ぜる。
  4. 1に2を5、6回に分けて加えながらよくすり混ぜ、3を加えて混ぜる。
  5. 型に入れてならす。ベーキングシートを型の大きさに合わせて切り、片面に圧搾純正をぬってその面を生地につけてかぶせる。これは生地の乾燥を防ぐためと香りを移すため。
  6. 5をバットにのせ、お湯(80℃)を2~3cmほど張り、160℃に予熱したオーブンで約30分湯煎焼きする。
  7. 焼きあがったら、型ごと網にのせて完全に冷ましてから、ラップをして冷蔵庫で2~3時間冷やす。
  8. 型からだして紙をはがし、上面にココアをふり、粉山椒をちらす。好みで圧搾純正をかける。

塩きんとんのテリーヌ

甘くなめらかなきんとんに、粗めの塩がソルティなアクセント。表面にびっしりまぶしたデコレーションの黒ごまがほんのりビターで香ばしく、サツマイモと栗甘露煮の甘みが増し増しに感じられます。いも栗と黒ごまのグッドペアリングを再認識!

RECIPE

塩きんとんのテリーヌ

材料

サツマイモ…正味380g 水…120ml A[粉寒天…4g 砂糖、塩、ターメリックパウダー…各小さじ1] 生クリーム…50ml 圧搾純正胡麻油…小さじ1 栗甘露煮…14個 銀杏水煮…適量 純ねり胡麻 黒ソフトパウチ…大さじ4~5 いり胡麻 黒…大さじ4くらい 粗めの塩…適量

  1. サツマイモを蒸して柔らかくし、皮をむいて裏漉しする。380g計量する。
  2. 小鍋に水を沸かし、あらかじめよく混ぜたAを加えて火を弱め、よく混ぜながら1分ほど加熱する。
  3. 2を1に加えてよく練り混ぜ、生クリームと圧搾純正も加えて混ぜ、栗甘露煮と好みで銀杏を混ぜる。
  4. 型に入れ、ゴムベラなどで押してすき間がないように詰め、台に2、3回打ちつける。
  5. ラップを密着させてかけ、冷蔵庫で4~5時間冷やし固める。
  6. 型からだして紙をはがし、底以外に純ねり胡麻 黒ソフトパウチを薄くぬり、いり胡麻 黒をびっしりまぶしつける。上面に粗めの塩をちらす。

◉お正月のおせちにもおすすめです。

フルーツとオリーブの蒸し羊羹テリーヌ

蒸し羊羹のイメージで、あんこや黒ねり胡麻を練り混ぜて湯煎焼き。もっちり、しっとりとした和のテイストのテリーヌです。味も食感もしっかりとしたドライのイチジクとクランベリーに加え、グリーンオリーブで塩味をきかせるのがミソ。ほうじ茶も合いますが、ラム酒などリキュールを合わせると乙なマリアージュ。

RECIPE

フルーツとオリーブの蒸し羊羹テリーヌ

材料

こしあん…170g 純ねり胡麻 黒ソフトパウチ…30g 砂糖…40g 薄力粉…20g 片栗粉…10g 水…80ml 具[ドライイチジク(大)…5個 ドライクランベリー…16個 グリーンオリーブ(種なし)…8個] 圧搾純正胡麻油…少々(焼成用)

  1. ボウルにこしあん、純ねり胡麻 黒ソフトパウチ、砂糖、ふるった薄力粉、片栗粉を入れて泡立て器でよくすり混ぜ、水を2、3回に分けて加えて混ぜる。
  2. 型に1の1/3量を入れ、具をバランスよくおき、軽く押し込む。
  3. 1の残りを入れてならし、台に3、4回打ちつけてすき間ができないようにする。
  4. ベーキングシートを型の大きさに合わせて切り、片面に圧搾純正をぬってその面を生地につけてかぶせる。これは生地の乾燥を防ぐためと香りを移すため。
  5. 4をバットにのせ、お湯(80℃)を2~3cmほど張り、180℃に予熱したオーブンで約30分湯煎焼きする。
  6. 焼きあがったら、型ごと網にのせて完全に冷ましてから、ラップをして冷蔵庫で2~3時間冷やす。

マーブルセサミのチーズテリーヌ

クリームチーズとギリシャヨーグルトの酸味がきいたベースに白ねり胡麻を入れて、ほんのりとセサミテイストに。仕上げに黒ねり胡麻で大胆にマーブル模様を描いてから湯煎焼きします。こってりと濃厚なチーズテリーヌを2色のごまで贅沢に。

RECIPE

マーブルセサミのチーズテリーヌ

材料

クリームチーズ…200g グラニュー糖…140g ギリシャヨーグルト…200g コーンスターチ…20g 全卵…100g 生クリーム…100g レモン汁…小さじ2 レモンの皮のすりおろし…1/2個分 コクと香りのねりごま 白…50g 純ねり胡麻 黒ソフトパウチ…30g
*クリームチーズ、ヨーグルト、全卵、生クリームは室温にもどしておく

  1. ボウルにクリームチーズとグラニュー糖を入れ、泡立て器でなめらかになるまですり混ぜる。
  2. ヨーグルトとコーンスターチを加えてさらに混ぜる。
  3. 全卵を3~4回に分けて加えて混ぜる。
  4. 生クリーム、レモン汁、レモンの皮のすりおろしを加え、生クリームを泡立てないようにすり混ぜる。
  5. コクと香りのねりごま 白を加えて混ぜる。 4、5は混ぜすぎないこと。
  6. 型に入れる。純ねり胡麻 黒ソフトパウチを流し入れ、太い箸などで大きく混ぜてマーブル模様にする。
  7. 6をバットにのせ、お湯(80℃)を2~3cmほど張り、180℃に予熱したオーブンで約25分湯煎焼きし、150℃に下げてさらに約20分焼成する。
  8. 焼きあがったら、型ごと網にのせて完全に冷ましてから、ラップをして冷蔵庫で2~3時間冷やす。

◉赤いベリーのソースを添えて食べるのもおすすめ。もっとマニアックに攻めるなら、純正ごまラー油をひとたらしするとエキゾチックなテリーヌに。

キャラメルバナナテリーヌ

フレッシュなバナナにキャラメルをからめて、粉ゼラチンをパラパラ。あとはギュッと押し固めるだけ。熱々キャラメルがゼラチンを溶かしてバナナの間をつなぎます。バナナとラム酒、ごま油の赤道エリアのテロワールがボン・マリアージュします。

RECIPE

キャラメルバナナテリーヌ

材料

バナナ…7~8本 熱湯…大さじ3 グラニュー糖…80g 圧搾純正胡麻油…小さじ1/2 ラム酒…小さじ1 粉ゼラチン…小さじ1 セサミラム[太香胡麻油1:ラム酒1]

  1. バナナは皮をむいて筋を取りのぞき、両端を切り落とす。
  2. ノンスティック加工のフライパンに熱湯大さじ1を入れてグラニュー糖をふり入れ、中火にかけてキャラメル色になるまで加熱する。火をとめ、残りの熱湯を3、4回に分けて加える(はねるので注意)。
  3. 1のバナナを入れ、圧搾純正を加え、ラム酒も加えてキャラメルをからめる。
  4. 型に3のバナナをすき間がないように押し込みながら1段詰める。長さはバナナを切って調整。
  5. 粉ゼラチンをまんべんなくふる。
  6. 残りのバナナを同様にもう1段詰め込み、フライパンに残っているキャラメルを回し入れる。
  7. 型の大きさに合わせて切った厚紙などをラップで巻き、6の上部にのせる。800gほどの重石(タルトストーン、ペットボトル飲料、缶詰などを利用)をのせ、そのまま冷ます。冷めたら重石ごと冷蔵庫に入れて4~5時間冷やし固める。
  8. 太香胡麻油とラム酒を合わせたセサミラムを好みでかける。

渡辺麻紀

料理教室「L’espace Makiette」主宰。フランス料理をベースに多ジャンルのレシピを紹介。「ELLE gourmet」やNHK「きょうの料理」などでも活躍中。
Instagram@watanabemaki_makiette

(2021年冬の号掲載)
 ※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。