特集魚食の口福

2023.02.16

日本酒がすすむ“ごまと魚の肴”。居酒屋の最高峰をめざす銀座「ごち惣家」の名レシピ3品


酒の肴で、冬のひととき

東京・歌舞伎座のほど近く、うまい料理と選りすぐりの酒で評判の居酒屋「ごち惣家」に、家でつくれる魚の肴をおそわりました。味わいを引き立てる日本酒とのペアリングのアドバイスつき。
※材料は基本的に1皿分です。

舌の肥えた銀座の飲食店関係者も夜な夜な集う人気店「ごち惣家」。「日常使いできる居酒屋の最高峰をめざしてます」と話すのは店主の布施知浩さん。使う魚は毎朝三崎港で水揚げされた天然物。自慢の素材を最高の形で提供すべく、ジャンルにとらわれない新メニューがくりだされるのも、この店の楽しみです。今回つくった酒の肴のなかでとくに魚と相性がよかったのは、胡麻油一番搾りだとか。「この香りは格別。魚の繊細な味をじゃませず、うまみを引き立ててくれます」。冬の宴に、日本酒とともにぜひお試しを。

鱈のごま揚げ

竜田揚げ風のごま衣はうまみの白ごま、ほんのり苦みのある黒ごまの2色を合わせてカリカリ香ばしく、お酒を誘います。柔らかな鱈とのコントラストが◎。

RECIPE

鱈のごま揚げ

材料/1皿分

タラ(切り身)…2切れ A[醤油、酒…各大さじ1] ノリづけの衣[薄力粉、水…各大さじ3] いり胡麻 白・黒…各適量 太白胡麻油…適量 スダチ…適宜

  1. タラは食べやすい大きさに切り、Aに5分ほど漬けて下味をつける。
  2. 薄力粉と水を混ぜて衣をつくる。別の容器にいり胡麻白・黒を混ぜ合わせておく。
  3. 1の汁気を切って2の衣をからめ、いり胡麻を全体にびっしりとまぶす。
  4. 太白胡麻油を170℃に熱し、3を返しながら約4分揚げる。スダチを添えて供する。

    ◎鮭など別の魚でもおいしい。

酒×肴

鱈のごま揚げには、「本醸造 自然郷さわやか」(福島県・大木代吉本店)を、ぬる燗か常温で。名前の通りさわやかで、まろやかな米の甘みの余韻が長いので、揚げたごまと鱈の香ばしい風味を包み込んでくれる。ずーっと飲みつづけられ、飽きがこない。

ごま鯖

この一皿にごまと鯖のおいしさが凝縮。ねりごまの深い味わいとなめらかな口当たりに、いり胡麻やすり胡麻の食感と香ばしさがアクセント。脂がのってうまみたっぷりの鯖に、胡麻油 一番搾りの香りを添えて。

RECIPE

ごま鯖

材料/1皿分

サバ(刺身用)…1/3サク(100g)ごまだれ(つくりやすい量)[コクと香りのねりごま 白…35g めんつゆ…50ml いり胡麻 白…5g すり胡麻 白…適量] ミョウガ、大葉…各適量 胡麻油 一番搾り…適量

  1. サバは厚さ6 ~7mmに切る。
  2. ごまだれのコクと香りのねりごま白にめんつゆを少しずつ加えて混ぜ、いり胡麻 白、すり胡麻 白の順に加えて混ぜる。
  3. ミョウガと大葉をせん切りにして器に盛り、1を並べ、2をかける。最後に胡麻油 一番搾りをまわしかける。

酒×肴

ごま鯖には、今注目の若手杜氏が率いる福島県・松崎酒造の「廣戸川 特別純米」をペアリング。ほのかに和梨のようなフルーティな香りと、バランスのとれたうまみで魚を引き立てる。冷やからぬる燗まで幅広く楽しめるので、締めの鯛茶漬けまでこれ一本で。

【ごまだれで締めの一品】ごまだれ鯛茶漬け

「ごま鯖」でつくったごまだれ20g に対して、すり胡麻 白7gを加えてねっとりと濃度をつけた濃厚ごまだれにアレンジ。ごはんに鯛など好みの刺身、ミョウガ、大葉、濃厚ごまだれ、刻み海苔、ワサビ、いり胡麻白をのせて、ダシをかける。お酒は同じ廣戸川を常温で。

ひとくち鰤角煮

白ごまを噛みしめるたびにうまみがじわじわ。こっくり煮た鰤を口にするたび、胡麻油 一番搾りの香りがふわりとただよいます。おいしさの余韻をお酒とともに。

RECIPE

ひとくち鰤角煮

材料/1皿分

ブリ(刺身用)…1/2サク(150g) 塩…適量 A[濃口醤油…30g みりん…22g 酒…15g 砂糖…10g] ショウガ…少量 胡麻油 一番搾り…小さじ1/2 いり胡麻 白…40g

  1. ブリは軽く塩をふってしばらくおき、お湯にさっとくぐらせて氷水にとる。水気をふいて2cm角に切る。
  2. 鍋にAを入れて煮立て、1とショウガのせん切りを入れ、中火でブリがくずれないように静かに煮る。
  3. 煮汁がほとんどなくなったら、胡麻油 一番搾りを加えてひと混ぜして火をとめる。
  4. 3の汁気を切り、いり胡麻 白を全体にまぶす。冷蔵庫で1時間程度冷やす。

酒×肴

うまみの強い鰤とごまの組み合せには、「磯自慢 特別本醸造」(静岡県・磯自慢酒造)を。味わいが濃くボリューム感のあるふくよかさが特徴で、キレもよし。常温か冷やがおすすめ。ひと口飲めば舌がスキッとリセットされて、また肴が食べたくなる!

ごち惣家 店主 布施知浩

SPOT

ごち惣家

所在地:東京都中央区銀座5-14-14 サンリット銀座ビルIIB1F
電話:03-6278-8814
営業時間:17:00~月・火0 :00、水・木・金~翌4:00、土~23: 00(1時間前L.O.)
休業日:日、祝不定休あり
https://www.gochisoya.com/

(2022年冬の号掲載)
 ※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。