特集沖縄テロワール

2026.07.02

ネオ沖縄そばを飯田商店の飯田将太さんが初体験。宜野湾「パパイヤとスブイ」でダシ、香味油、麺、具を深掘り


豚と鰹沖縄のダシ文化

琉球料理のユネスコ無形文化遺産登録をめざすムーブメントのなかで、あらためて沖縄で昔から受け継がれてきた食文化が見直されています。沖縄ならではの島野菜や薬草、香辛料、独特の調理法などをみていくと、気づくのは「ダシ」の存在が大きいことです。京都にヒケをとらぬほどのダシ文化が食の根っこにあり、ダシのベースは「豚」と「鰹」という点が沖縄独特です。

沖縄のダシ文化に興味を抱いたのは、「飯田商店」の飯田将太さん。沖縄の豚食文化とともに歩んできた沖縄ハム総合食品(通称オキハム)と、ネオ沖縄そばの一店として知られる「パパイヤとスブイ」を訪れてダシを探求しました。伝統的な豚肉料理や沖縄そばの視点からダシ文化を学ぶと、沖縄の食の魅力を再発見することができました。

ダシ文化。ネオ沖縄そばを訪れる

左/飯田将太
1977年、神奈川県真鶴町生まれ。2010年、らぁ麺 飯田商店を開業。著書に「本物とは何か」(プレジデント社)。
https://r.iidashouten.com/
右/島袋博昭
1980年、沖縄県生まれ。東京「麺の坊 砦」で修業後に帰沖。2010年にラーメン「麺や偶 もとなり」を開業し、県内に5店、台湾に3店を展開。「沖縄そば パパイヤとスブイ」は2022年にうるま市に開店、2024年に現在地に移転。

飯田将太さんが訪れたネオ沖縄そばは、宜野湾市にある「パパイヤとスブイ」。新しさとともに、昆布や鰹節、島野菜が沖縄らしい存在感を発揮しています。

「パパイヤとスブイ」の看板商品は、パパスブそば。生の青パパイヤの細切りと、煮含めたスブイ(冬瓜)がラフテーよりも存在感たっぷりにのり、一晩水ダシをとったあとの昆布も具としてスープに浮かびます。この昆布のまわりのねばねばがスープに溶けだして生まれるとろみが独特で、スープのなかに不均一に広がり、口当たりにも味わいにも抑揚が生まれます。

これがパパスブそば。どんぶりに塩ダレと香味油を入れ、3種類のダシを合わせたスープを注ぎ入れるラーメン系のつくり方。香味油はラードと太白胡麻油が同割。

「スープの上に脂が少し浮いているので、ラーメン寄りかと思ったら、上にそのままのせた鰹節が沖縄そばのほうに引きもどしてくれる。食べる前に鰹節の香りがダイレクトにきて、麺とスープを食べ進めるうちにうまみと香りが溶けだして、自分で少しずつ鰹ダシを追加しているみたいな感覚。具であり、ダシでありな立ち位置が個性的で、すごく好き」と、パパスブそばを完食した飯田さん。沖縄そばらしくないような、沖縄そばのような、不思議な食後感の一杯です。
「正確にいうと、麺もスープも伝統的な沖縄そばのつくり方ではないですが、やっぱりこれは沖縄そば。お客さまも沖縄そばとして食べにきてくれています」というのは、パパイヤとスブイのオーナー島袋博昭さんです。沖縄そばとラーメンの線引きは最近ボヤッとしたものになりつつあるようで、ネオ沖縄そばと呼ばれる店も増えているそうです。

水ダシの昆布を細切りにして具に。スープにもとろみがでて独特のテクスチャーに。

ウェブの対談では、飯田さんが木灰水で製麺した麺も登場。

ウェブに続く!

SPOT

パパイヤとスブイ

所在地:沖縄県宜野湾市大山7-10-1350 ぎのわんゆいマルシェ食堂内
電話:090-4471-8818
営業時間:11:00~14:30
休業日:不定
Instagram@papasubu.official
パパスブそば950円、イカスミそば1450円など

(2026年夏の号掲載)
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。