特集まごわやさしい

2021.12.16

【ゆるヴィーガンのすすめ1】ラーメンやカレーもしっかり美味しい、話題のヴィーガングルメ3店


いま日本にヴィーガンの波が押し寄せています。肉や乳、卵など動物性の材料を使わないヴィーガンでは、コクやうまみをだすために植物性オイルが大活躍。マルホン胡麻油もヴィーガンフレンドリーです!

ゆるヴィーガンでやさしく生きる

ヴィーガンの新時代が、いま日本ではじまっています。
そもそもヴィーガンは宗教上や動物愛護の理由から、動物性の食品を一切とらないライフスタイルです。最近では、植物性食品を中心に食べながら、時には肉・魚も食べる通称「ゆるヴィーガン」「ときどきヴィーガン」の人が急増しています。
その背景のひとつは、近い将来には肉が食べられなくなるといわれるタンパク質クライシス。肉の生産環境は地球にとって大きな負荷となり、2050年には肉は手が届かない食品になる、とささやかれています。代替品として大豆ミートの開発が進み、ハンバーガーチェーンでも、プラントベース(植物由来)という文字は日常的にみるようになりました。
プラントベースはヴィーガンと同義語ではありませんが、植物性の食品を積極的にとるという意味では似たニュアンス。肉食を断つよりも、野菜によりシフトするポジティブな食スタイルといえるでしょう。
和食やイタリアン、フレンチを選ぶ感覚で、「今日はヴィーガンにしよう」「ランチはプラントベースにしよう」と気軽にセレクトする時代はもうすぐそこ。新しいヴィーガン世代のカフェやレストランが増えているので、これならヴィーガンもいいかもと思う人は今後ますます増えるはずです。
まずは、ゆるヴィーガンからスタート。地球や自分の身体と向きあいながら、ヴィーガン生活をはじめませんか。

2foods

カラダも心も喜ぶヘルシージャンク

コンセプトは「ヘルシージャンクフード」。ジャンク&ヘルシーという相反する欲求を両方満たしてくれるのが、プラントベースなカレーやヌードル、ドーナツといったフードメニューです。どれもやみつきテイストなのに(辛いとか、濃厚とかメリハリ大!)、動物性の材料は一切不使用。ボヤけた味になりがちなプラントベースのレシピにインパクトをだすために、スパイスたっぷりの香味油やダシ、醤(ジャン)などを自家製でつくっています。
ビビッドカラーをきかせたインパクトのあるブランドビジュアルが噂を呼び、20、30代の若い客層や外国人客を中心に人気上昇中で、リピーター率も高し。あっという間に全国にお店が広まりそうな予感!

渋谷ロフト店の限定メニュー、濃厚やみつき担々麺(880 円・税抜)はその名のとおり、こってり濃厚。それなのにプラントベースだから、スープを飲み干しても胃が軽い。トッピングのそぼろベジミートと、6 種のスパイスをブレンドしたオリジナルラー油には太香胡麻油を使用。やみつきジャンクテイストなプラントベースをぜひ体験してほしい!
こく旨オリジナルカレー(880円・税抜)。7種の野菜と果物、15種スパイスを煮込んだとろとろのルウは、純ねり胡麻 黒がうまみアップの隠し味。玄米カリフラワーライスでヘルシーに。
スパイシーまぜそば(880円・税抜)は玄米麺を使用。約85gの野菜、うまみたっぷりのキノコソース。自家製ネギ生姜油などで太香胡麻油が香る。

SPOT

2foods 渋谷ロフト店

所在地:東京都渋谷区宇田川町21-1 渋谷ロフト2F
電話:03-6416-4025
営業時間:11:00〜20:00
休業日:無(渋谷ロフトに準ずる)
https://2foods.jp/
ほか都内にアークヒルズ店、八重洲地下街店、麻布十番店、ラボキッチン(人形町)あり

UZU KYOTO

デジタルアート空間とヴィーガンラーメン

日本の料理文化の中心、京都からヴィーガンラーメンを発信する「UZU KYOTO」。澄みきったスープと、香味野菜が織りなす深み、スープにコクをだす太白胡麻油がヴィーガンを超えた味わいを生みだします。
店内には大きな黒いテーブルを囲む16席。正面にはチームラボのデジタルアートが映しだされ、テーブルに、ラーメンのスープにと、ボーダーレスに映りながら食べ手の心を誘います。「美意識と美食に対する欲求はいつの世も人を進化させてきました。アートとヴィーガンを共生させて、多くの課題を抱える食の未来に対する願いを込めています」とオーナーの片岡良さん。おいしさのさらにその先に、食に対する気づきがヴィーガンとともにあります。

美しいヴィーガン押し寿司(950円)。グリーンの枝豆とわさびのフムスにも太白胡麻油が使われている。

SPOT

Vegan Ramen UZU KYOTO

所在地:京都市中京区梅之木町146
電話:080-7603-6106
営業時間:11:30~15:00(14:30L.O.)、18:00~22:00(21:00L.O.)
休業日:月、火、水
https://vegan-uzu.com/
「Vegan Ramen UZU TOKYO」が今秋、豊洲にオープン

The Burn

ヴィーガンでも、ノンヴィーガンでも満足

2018年にオープンした「The Burn」は、肉推しのレストラン。にもかかわらず、アラカルトにもコースにもヴィーガンメニューがあります。同店でテーブルを囲む人はヴィーガンであろうと、ノンヴィーガンであろうと、だれもが分け隔てなく一緒に食事をともにすることができるのです。
「ヴィーガンをきちんとメニューにのせているもうひとつの理由は、肉料理を得意としているだけに、サステナブルな肉食のあり方を考えるべきだと感じているからです」と米澤文雄シェフ。肉を食べた時の満足感に劣らぬ味わいに仕上げるためには、素材を焦がしたスモーキーなフレーバーを生かし、スパイスやハーブ、酸味、そして油脂を生かすことが肝心。ごま油やねり胡麻を生かしたレシピ4品を披露してもらいました。

オリエンタルなヴィネグレットで野菜が官能的に

RECIPE

焼きナスのカルパッチョ ライムとセサミオイル

材料/1皿分

米ナス1個 A[ライムの絞り汁…1/2個分  太香胡麻油…15g 醤油…10g] 【赤玉ネギのピクルス】赤玉ネギ…1/2個 B[赤ワインビネガー…200g レモンの絞り汁…50g キビ砂糖…50g 塩…5g] ピスタチオデュカ…適量

  1. ナスは直火で焦げるまでしっかりと焼き、しばらく蒸らしてから皮をむく。
  2. 赤玉ネギを繊維に沿ってスライスし、Bと合わせて1時間ほどマリネする。
  3. 皿に1を盛りつけ、Aを合わせてかける。
  4. 2をのせ、ピスタチオデュカをふりかける。

*ピスタチオデュカはピスタチオ、コリアンダー、クミン、白ごま、フェンネル、スマック(中東の香辛料で赤シソのような風味)、塩で自家製しているミックススパイス。

ヴィーガンの代表メニューをねり胡麻で

RECIPE

フムス

材料/つくりやすい量

A[ヒヨコ豆の水煮…200g コクと香りのねりごま 白…100g E.V.オリーブオイル…120g ニンニク…10g レモンの絞り汁…70g ディジョンマスタード…50g 塩…5g] ヒヨコ豆の水煮…適量 E.V.オリーブオイル…適量 イタリアンンパセリ…適量 スマック…適量

  1. Aをミキサーにかけてなめらかなペースト状にし、フムスをつくる。
  2. 皿に1をリング状に盛りつけ、中央にヒヨコ豆の水煮を並べ、E.V.オリーブオイルをかける。きざんだイタリアンンパセリをちらし、スマックをふる。トーストを添えて。

乳製品なしで味わい深く、さっぱりと

RECIPE

豆乳のブランマンジェ 白ごまクリーム

材料/2人分

豆乳のブランマンジェ[豆乳クリーム(コクリーム)…225g ココナッツクリーム…80g グラニュー糖…25g 葛粉…8g] 白ごまクリーム[コクと香りのねりごま 白…100g キビ砂糖…35g 塩…1.5g 紅茶(ダージリン)…100g] グラノーラ…適量 いり胡麻 白…適量 スペアミント…適量

  1. 豆乳のブランマンジェの材料を合わせて火にかけ、とろみがでてきたら火をとめる。グラスに流し入れて冷やす。
  2. 白ごまクリームのコクと香りのねりごま 白、キビ砂糖、塩を混ぜ合わせ、紅茶を少しずつ加えてのばす。
  3. 1の上に2を流し、グラノーラ、いり胡麻 白、ミントをちらす。

冴えわたるスパイスの躍動感!

RECIPE

食べるガラムマサラカレー

材料/つくりやすい量(Eの野菜は1人分)

【ベース】A[太白胡麻油…230g クミンシード…9g 赤唐辛子…3g シナモンスティック…2g] B[玉ネギ…800g ニンニク…55g ショウガ…50g]  C[プチトマト…300g コリアンダーシード…10g ガーリックパウダー…5g カルダモン…3g クローブ…1.5g 黒コショウ…1g カレー粉…5g 醤油…30g 塩…10g] D[皮つきアーモンド…60g カシューナッツ…25g] 【仕上げ】 E[ズッキーニ…1/2本 赤・黄パプリカ…各1/4個 ナス…1本] ごはん…適量 バジル…適量

  1. 鍋にAを入れて中火にかけ、ゆっくりと香りを移してテンパリングする。
  2. Bの材料をみじん切りにし、1に加えてじっくりと炒める。
  3. 2にCを入れて15〜20分煮込む。
  4. Dを粗くつぶして加え、さらに煮る。これでベースの完成。
  5. Eの野菜を角切りにし、4のベース50gと合わせてしっかりと炒めてカレーを仕上げる。
  6. ごはんと5のカレーを盛りつけ、バジルをサラダ感覚でたっぷり添える。

米澤文雄

1980年生まれ。22歳で渡米し、ニューヨーク「Jean-Georges」でスーシェフを務めたのちに帰国し、数店でシェフを歴任。2018年「The Burn」のエグゼクティブシェフとなる。著書に「ヴィーガン・レシピ」(柴田書店)。

Less meat,more vegetableなスタンスのヴィーガンです

SPOT

The Burn

所在地:東京都港区北青山1-2-3 青山ビルヂングB1F
電話:03-6812-9390
営業時間:11:30~15:00(14:00L.O.)、
17:30~23:00(22:00L.O.)、
日~22:00(21:00L.O.)
休業日:月、祝
http://salt-group.Jp/shop/theburn/
ランチはヴィーガンプレート、ディナーにはヴィーガンコース5800円もあり

(2021年秋の号掲載)
 ※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。