天ぷらを食べに

2023.06.29

武蔵(愛媛・今治)出口純二


地域の日常に密着した天ぷら店でありたい

27歳でサラリーマンから飲食業に転身し、県内の有名寿司店やホテルで12年修業。店主の出口純二さんはカウンター商売に惹かれ、独学で天ぷらを学び、2014年に今治の繁華街に独立開業。市内に天ぷら専門店がないこともあり、本格的な天ぷらを食べられる店として有名になり、毎日にぎわっている。
「港はすぐそこです。今治は小魚の魚種も多く、何でもとれる。魚も野菜も手に入る限り、地の物を揚げています。天ぷらにはいい土地ですね」と出口さん。揚げ油は太香胡麻油 濃(こい)3対綿実油7の割合で、ごま油をしっかり香らせつつ、素材の持ち味を引きだしている。寿司で学んだ生の魚の扱いから、火入れが勝負の天ぷらの世界へと足を踏み入れ、これからどんどん腕を磨いていくという。

「まだまだ修業中。油もいろいろ試して現在の割合にしましたが、ごま油は揚げる力の強さが、他の油とは全然ちがいます」(出口さん)。地の魚に恵まれているのは、天ぷら店としては何よりのこと。
出口さん自慢の一品。愛媛県産のキタアカリを丸ごと30分かけてじっくりと揚げ、バターをのせて供する。外側の衣と皮はカリカリと噛みごたえがあり、内側はトロトロで、天ぷら版ジャガバターの趣。ビールのあてにもってこい。

SPOT

武蔵

所在地:愛媛県今治市松本町1-4-23 1F
電話:0898-55-8634
営業時間:18:00〜22:30(22:00 L.O.)
休業日:日
https://s510200.gorp.jp/
おまかせコース5500円〜、単品もあり。カウンター8席、個室1室

(2023年夏の号掲載) 
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。