特集Good Morning!!

2022.03.29

ぐっすり眠れない、スッキリ起きられない人に!リラックス快眠スキル&朝フルーツのススメ


ぐっすり眠ってスッキリ起きる快眠スキル

現代人の悩みのひとつは睡眠。リラックスして心地よい眠りにつくためには、毎日の生活がカギとなります。大企業の健康経営をプロデュースする平井孝幸さんに、自らが実践している快眠スキルを「夜の就寝前」「朝の起床時」「日中」に分けておしえてもらいました。

ここ数年、睡眠改善ブームが続いています。その背景には、眠りにつけない、眠りが浅い、寝起きがわるい、日中に眠い…といった睡眠の悩みをもつ人が増えている社会事情があります。
IT企業のDeNAで、平井孝幸さんが健康サポートを担当する部署をスタートしたのは2016年のこと。多くの企業で行なった調査では、働き盛りのほぼ半数が睡眠の悩みを抱えていることがわかったそうです。
「健康はもっとも重要なビジネスツール。健康であるためには、よい睡眠が欠かせません。睡眠の悩みを解消するためには、毎日の生活の小さいことを気づかうだけでも、目にみえて効果が得られます」
と平井さん。夜寝る前に、朝起きたあとに、そして日中に平井さん自身が日頃から意識している快眠のためのスキルは、簡単ですぐにでき、日常生活で習慣づけられるものばかりです。
「実は大切なことは、日中体を動かし、疲れた状態で夜を迎えることです。子どもは夜は眠くて起きていられないですよね。あれは昼間遊んで疲れているから。ジムやヨガでもゴルフでも、好きな運動をしてください」
日常生活の快眠スキル、今日からはじめましょう。

【朝スキル】朝のごま活 フレーバーで覚醒!

「食欲を誘う」香りといわれるごま油の芳香は、脳も刺激。朝食には香りのあるごま油をかけ、おいしさに加えて目覚まし効果も。やる気満々の一日のスタートを切ろう。油脂には血糖値の上昇をゆるやかにする働きがあるので、朝食後に眠くなりにくくなるはず。

【朝スキル】日光を浴びる

朝起きたら、一番にカーテンを開けて太陽の光を浴びる。これで脳と体が次の夜の睡眠に備えてリセットする。たとえ曇りや雨の日でも、外の光であれば大丈夫。

【朝スキル】毎日同じ時間に起床

ウィークエンドなど仕事や学校が休みのときも、起床時間はいつも同じにすることが、体内時計を狂わせず、毎日快眠できるためのポイント。二度寝してもかまわないので、まずは一度起床すること。

【日中スキル】意識して体を動かす

疲れて自然に眠くなる状態で夜を迎えるため、日中は意識して体を動かす。階段を上り下りするなど、小さなことの積み重ねでもOK。

【夜スキル】真っ暗が理想的

眠るとき、そして起床まで真っ暗が理想。就寝の少し前から照明を落として、眠りへの準備を整えるとベター。朝陽で目が覚めないよう、遮光カーテンがおすすめ。音は遮断せず、自然な音が耳に入る状態がいい。

【夜スキル】バスタイムで深部体温を上げる

就寝1時間くらい前をめどに、ぬるま湯につかってバスタイム。入浴後、深部体温(脳や内臓の温度)が下がりはじめるにつれて眠気が訪れる。熱いお風呂は逆効果になるので、ぬるま湯でリラックスがポイント。

【夜スキル】オーラルケアでスッキリ

夜も朝もオーラルケアは大切な習慣。夜は口の中をスッキリきれいにすると、気持ちよく入眠。朝は起きぬけに歯みがきをして、口腔環境をよくして、脳を活性化。デンタルフロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュもスッキリ効果が高い。

【夜スキル】就寝前に植物性乳酸菌をとる

植物性乳酸菌のドリンクを就寝前に。就寝中は腸内環境が整う時間帯ともいわれ、朝起きたときの胃腸の調子もよくなり快適な一日のスタートが切れる。GABAもリラックス効果があるので、快眠のために積極的にとりたい。

【夜スキル】寝具を気持ちよく

気持ちのよい寝具や室内環境は安眠につながる。暑すぎず寒すぎずの温度と心地いい湿度を心がけ、フトンも日中干すなどしてカラッとした状態に。

(株)イブキ代表取締役 平井孝幸

1982年、東京生まれ。2005年にゴルフレッスン事業で起業したのち、2011年にDeNA入社。2015年から社内で健康経営をスタートし、現在は健康経営アドバイザーとして活躍。2018年より東京大学附属病院22世紀医療センター研究員。(株)イブキ代表取締役。著書に「仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること」(東洋経済新報社)。

朝フルのススメ

フルーツで世界を救うべく日夜研究を続けている、フルーツ研究家の中野瑞樹さん。フルーツと睡眠のよい関係をおしえてもらいました。

フルーツは、ビタミン群、ミネラル(とくにカリウム)、食物繊維、フィトケミカルといった現代日本人が不足しがちな栄養素を豊富に含みます。料理せずにそのまますぐに食べることができるため、忙しい朝でも、手軽にこれらの栄養をとることができるのがフルーツの魅力です。
「朝起きて一番に水分多めのフルーツを食べると、就寝中に失われた水分を補給でき、乾いた喉もうるおいます。フルーツを食べ、胃が刺激されると、お通じスイッチもオン! 鮮かな色や香りが五感を刺激し、脳も活性化。朝から気持ちのいいスタートが切れます」
と中野さん。噛むことによって脳も刺激されるため、朝一番はジュースだけよりも、固形のフルーツがおすすめです。

ズバ抜けたGABA含有量

精神を落ち着かせ、快眠効果が期待できるGABA。とくにマスクメロンはGABAが多く、一般的に多いと知られる発芽玄米の数倍。ワタにGABAが豊富に含まれるので、ワタごと食べるのがおすすめ!

ビタミンB6を含む眠活フルーツ

睡眠ホルモンであるメラトニンは、朝から日中にかけて合成された幸せホルモンのセロトニンからつくられる。その材料となるトリプトファンから、セロトニン合成を助けるのがビタミンB6。ビタミンB6はフルーツではバナナやアボカドに多く含まれる。

癒やしの香り効果

安眠には香りが効果的。グレープフルーツの香りは癒やし効果が高く、梅は心身の疲労感を軽減、ユズは疲労感のほかに不安感の軽減も期待できる。

ビタミンCでストレス緩和

ストレス対抗ホルモン「コルチゾール」分泌のために必須なのがビタミンC。とくにキウイフルーツ、柿、アケビ、イチゴ、オレンジに豊富。

フルーツ研究家 中野瑞樹

1976年、和歌山県生まれ。東京大学の教員などを経て、2009年9月からフルーツ中心の食実験をはじめ、フルーツの価値を実証中。ちなみにごまは広義の果実に含まれるため大好き。メディア出演など多数、災害備蓄食としてフルーツローリングストックも推奨。
http://ameblo.jp/fruit-mizuki/

(2022年春の号掲載) 
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。