これぞ、日本の食ヒストリーに名を残す名品。創刊35年を超える「ごま油の四季」の殿堂入りグルメ

本家本元、名品中の名品

長く愛され、食べられ、語られる名品。その一品を生みだした本家本元のみならず、味や形、技法が定番化しているほどの影響力を持った名品。敬愛すべき4品をセレクトしました。

マルホン胡麻油は常に料理人さんたちとともに歩んできました。素晴らしい料理、魅力的な料理人さんたち、卓越した技巧との出会いは、創刊35年を迎えた「ごま油の四季」にとって大きな財産です。
なかでもここでご紹介する4店の4品は、日本の食ヒストリーに残るであろう名品中の名品です。「てんぷら近藤」のさつまいもの天ぷらは、厚切りのさつまいもを揚げて余熱で蒸すという、斬新な手法が天ぷら業界に大きな影響を与えました。「フルタ」の冷製ビーフンはシンプルの極みながら、衝撃的なうまみに満ちた味わい。今では和洋中のジャンルを問わずに多くの店で再現されています。そして、さらに輪をかけてシンプルでありながら、究極のオーダー率を誇るのが、ホルモンブームの火つけ役「スタミナ苑」の看板商品、生野菜です。これら3品、いずれも30年超のロングセラーで、太白胡麻油が味の決め手といわれています。
太白胡麻油は近年、無香でうまみがある個性を生かし、香り豊かなフレーバーオイルのベースとして利用されることが多くなりました。その先鞭をつけたのが「フロリレージュ」です。料理の表現の幅を広げ、おいしさを導くひとつの手段として、太白胡麻油が広く愛されています。

さつまいもの天ぷら

近藤文夫［てんぷら近藤］

紅あずまを長さ7cmに切り、きれいな円柱形に皮をむく。天ぷらの衣をつけ、いもが半分浸かるほどの揚げ油（太白胡麻油3：太香胡麻油 極淡（ごくうす）1）を170℃に熱して揚げる。返しながら20～30分かけてゆっくりと揚げ、取りだしてペーパータオルで包んで15分蒸らし、余熱で芯まで火を通す。さつまいもは収穫後、3ヵ月ねかせて甘く熟成させたものを使用。この甘みも水分もいもから逃さず、ほくり、ほくりとまるで洋菓子のようなおいしさに。

生野菜

豊島雅信［スタミナ苑］

食べやすくちぎったレタス、カイワレ、キュウリの小口切り、海苔を太白胡麻油、米酢やワインビネガー、フルーツワイン、すり胡麻 白、塩などと手で和える。焼肉のみならず、名物料理が多いといわれる同店において、オーダー率ナンバーワンを誇るのがこの生野菜。つくりおきはせずオーダーを受けてから和えるので、シャキシャキの野菜が油や調味料になじんでしんなりしはじめる絶妙の加減。

経産牛 じゃがいも パセリのオイル

川手寛康［フロリレージュ］

経産牛は薄切りにして塩とトレハロースでマリネし、一晩干したもの。提供時に軽く温めて燻製マッシュポテトとともに盛りつけ、テーブルで熱々の経産牛のコンソメを注ぎ、パセリのフレーバーオイルをかけて香りを立てる。パセリのフレーバーオイルはパセリ100gと太白胡麻油200gをミキサーにかけ、漉さずに用いる。香りは脂溶性、味は水溶性なので、漉さずに使うパセリのフレーバーオイルには香り、味の両方が生きている。

ベルーガキャビアの冷製ビーフン 太白胡麻油和え

古田 等［Furuta］

ゆでたビーフンを冷水で締めてアル・デンテの口当たりにし、氷水にあてながら太白胡麻油、小ネギの小口切り、塩、コショウとともに和える。盛りつけてベルーガキャビアを添える。キャビアは最高級珍味であると同時に、油分と塩分を含む調味料でもあり、太白胡麻油のうまみと相まって絶妙のハーモニーを奏でる。シンプルイズベストの至極の一品。

※料理の写真は取材当時のものです。

（2020年冬の号掲載）
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