特集香り中華
2025.02.06
ごま油は医食同源。台湾に受け継がれる食の知恵を味わわせてくれる「天天厨房」謝シェフの青菜炒め2皿
究めるごま油、豊潤・淡麗な銘菜
中国料理ほど油の存在が大きい料理はありません。だからこそ、いい油を選ぶことは料理の質を上げ、食べる人の健康にもつながります。ここでご紹介する5店の銘菜を通して、ごま油の価値をあらためて究めます。
謝天傑[天天厨房]
ごま油は医食同源
台湾ではごま油は医食同源の健康的な食材として食べられています。とくに寒い冬には体を温め、体力回復にもいいといわれます。
「濃いものほどいいという認識なので、黒ごま油が人気です。でも黒ごま油は苦みがあり、味も重くなるので、私は日本では圧搾純正胡麻油や太香胡麻油を使っています。とくに青菜炒めは新しい油を使うのが、私のこだわり。そのほうが青菜の味がおいしいし、油が熱で酸化していないから体にもいいです」と謝シェフ。青菜炒めは、鑊気(フォチイ)といい、熱くなった鉄の中華鍋と炎の化学反応で生まれる独特の香りが味のエッセンスになります。パワフルに炒めるとき、謝シェフには熱に強いごま油が欠かせません。
ツルムラサキの香り炒め 香姜麻油皇宮菜
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RECIPE
ツルムラサキの香り炒め 香姜麻油皇宮菜
材料/1皿分
ショウガ…10g 合わせ調味料[毛湯(チキンスープ)…40g 塩、砂糖、酒…各少々] ツルムラサキ…200g 圧搾純正胡麻油…40g 台湾米酒…10g
- ショウガは皮をむかずに細く切る。
- 合わせ調味料の材料を混ぜる。
- 炒める直前にツルムラサキの準備をする。まず葉を摘み取る。茎は根を切り落とし、表面を薄くむき取って長さ3cmくらいに切る。
- 中華鍋にお湯を沸かして塩少々(分量外)を入れ、③の茎を入れて10秒湯通ししてお湯を切る。
- 中華鍋を火にかけ、圧搾純正胡麻油と①を入れて香りを移す。ショウガの表面からジリジリと音がしてきたら、火力を最大にして、④の茎を入れて油を全体になじませ、葉も加えて鍋をあおりながら炒める。
- 合わせ調味料を加え、最後に台湾米酒を鍋肌から加え、すぐに火をとめて盛りつける。
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ホウレン草の青花椒オイル 青花椒菠菜
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RECIPE
ホウレン草の青花椒オイル 青花椒菠菜
材料/1皿分
青花椒※…3g 朝天辣椒…3g 合わせ調味料[台湾醤油…5g オイスターソース…少々 砂糖…少々 毛湯(チキンスープ)…10g] ホウレン草…100g 太白胡麻油…50g
※花椒の未熟果で香りや辛みが軽い
- つくる5~10分前に、青花椒と朝天辣椒に酒少量(分量外)をかけてしめらせる。これは焦げるのを防ぐため。
- ①の朝天辣椒のヘタと種を取りのぞいて粗くきざむ。青花椒は半量をみじん切り、残りを粗みじん切りにする。
- 合わせ調味料の材料を混ぜる。
- ホウレン草は長さ3cmくらいに切り、サラダスピナーでしっかり水切りする。
- ボウルに④を入れ、上に②をのせる。
- 太白胡麻油を全体から白煙がではじめる(230℃)まで熱し、⑤に一度にかける。
- すぐにフタをして蒸らし、10秒たったら、③を加えて混ぜる。フタをしてさらに5分おき、提供する。
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1980年、台湾生まれ。24歳で来日し、東京誠心調理師専門学校で和食を専攻。「麻布独歩」(閉店)などで日本料理を修業したのち、経堂「パクチーハウス東京」(閉店)で料理長を務める。 2013年に「天天厨房」を独立開業。
SPOT
天天厨房
所在地:東京都世田谷区粕谷4-18-7
電話:03-6754-6893
営業時間:11:30~14:00、18:00~22:00(木曜は夜のみ)
定休日:火、水
Instagram@tentenchubo
(2024年冬の号掲載)
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。