特集Good Morning!!

2022.04.12

薪火で料理する軽井沢のレストラン「Koo」から、松島朋宣シェフの“口福”な朝の仕事レシピをお届け


口福の朝の仕事

朝は太陽のパワーをもらえる、特別な時。その時間を大切にしながら、朝の仕事にいそしみます。朝どれの野菜や果物を手に入れたら、フレッシュな香りとともに、手塩にかけて朝食の支度。つくる楽しみ、食べる楽しみ、食卓を囲む楽しみ。朝の仕事から楽しいことがたくさん生まれます。軽井沢のレストラン「Koo」の松島朋宣シェフは朝の仕事の達人。朝一番で季節の素材と出会い、その日の料理を考えることが、何よりの幸せといいます。ローズマリーで燻す豚肉や、朝ごねで焼くブレッド、瞬間火入れする春の豆や菜の花など、家庭で楽しめる朝の仕事のレシピをおそわりました。

軽井沢のレストランKooの暖炉で、こんな朝の仕事の光景。ちょっと「アルプスの少女ハイジ」の山小屋風。
一年を通してさまざまな表情をみせる浅間山と烏帽子岳。朝起きて、スーッと深呼吸しながらこの光景をみると、心身がリフレッシュ。冬が終わりを告げる頃、春の恵みの産物が出まわりはじめる。その恵みを朝の仕事とともにいただきます。

豚バラ肉のメープルリンゴマリネ ローズマリーと薪焼き

前夜に豚肉をマリネして、翌朝を楽しみに。ローズマリーの香りを移しながらゆっくりと焼きあげる時間が朝の幸せ。グリルしたチーズや目玉焼きと一緒に。

RECIPE

豚バラ肉のメープルリンゴマリネ ローズマリーと薪焼き

材料/5枚分

豚バラ肉かたまり…500g A[リンゴジュース…200g メープルシロップ…50g 太香胡麻油…20g ローズマリー…1枝 ローリエ…2枚] ローズマリー…多めに適量 塩…適量

  1. 豚バラ肉は5枚に切り(1枚約100g)、Aに漬けて一晩マリネしておく。
  2. 豚肉を取りだし、マリネ液を強火で煮詰める。はじめにアクがでるので取りのぞき、とろみがつくまで煮詰める。
  3. 薪火にローズマリーをくべ、豚肉の両面に塩をふってゆっくりと焼く。途中、2をぬって両面を返しながら焼き、焼きあがる直前にもう一度ローズマリーをくべて香りをまとわせる。

*ベランピングやアウトドアでおすすめ。キッチンでつくる場合は、フライパンでローズマリーとともに焼いてもOK。

春キャベツのポタージュ

キャベツのおいしさをごま油で。仕上げの太香胡麻油は胃腸や頭にスイッチを入れる目覚ましフレーバー。

RECIPE

春キャベツのポタージュ

材料/6人分

玉ネギ…300g 太白胡麻油…適量 春キャベツ…700g ダシ…1l 太香胡麻油…70g 塩…適量 太香胡麻油(仕上げ)…適量

  1. 玉ネギは薄切りにし、太白胡麻油で柔らかくなるまで炒める。
  2. キャベツをザク切りにし、1に加える。炒めずにすぐにダシ、太香胡麻油を加えて強火にし、沸いたら中火にして約10分煮る。キャベツの歯ごたえが残る程度の火入れでOK。
  3. すぐに鍋ごと冷水につけて冷まし、色止めする。
  4. ミキサーにかけ、塩で味を調える。
  5. 器に注ぎ、太香胡麻油をたらす。

*ダシはブイヨンでもカツオダシでも、みそ汁や鍋物の余りのスープでも何でもおいしくできます。

クイックブレッド

朝起きてから生地をつくって焼ける簡単レシピ。太白胡麻油でサクリと軽い生地に。

RECIPE

クイックブレッド

材料/16個分

A[強力粉…125g 薄力粉…375g インスタントドライイースト…8g] B[水…250g 牛乳…75g 太白胡麻油…50g] 塩…5g 具…下準備した菜の花(→下記)かスモークサーモン…350g いり胡麻 黒…適量 パルミジャーノチーズ…適量 太白胡麻油…適量

  1. ミキサーボウル(ビーター装着)にAを入れ、Bを加えて低速で2分練り、途中だいたいまとまったら塩を加える。高速にしてさらに4分練る。
  2. バットなどに取りだして薄めにのばし、30℃くらいで約30分1次発酵させる。
  3. 台に打ち粉(強力粉・分量外)をし、生地をだす。ここに具(下準備した菜の花かスモークサーモン)をのせ、スケッパーで具ごとカットしては重ねて全体に具を行きわたらせる。
  4. 厚めに広げて16等分にカットし、ベーキングシートを敷いた天板に並べる。30℃くらいで約30分最終発酵させる。
  5. 菜の花には水(分量外)を霧吹きし、いり胡麻 黒をまぶし、太白胡麻油をぬる。スモークサーモンも霧吹きし、パルミジャーノをふり、太白胡麻油をぬる。
  6. もう一度霧吹きし、230℃のオーブンで約10分焼く。

*生地を2等分して、菜の花とスモークサーモンをそれぞれ分量の半量ずつ入れてつくってもOK。

*菜の花の下準備:フライパンにきざんだ菜の花350〜400g、水大さじ3、太香胡麻油大さじ1を入れ、フタをして強火にかけ、水分がなくなるまで約3分火を入れる。この「瞬間ブレゼ」は野菜の歯ごたえとおいしさを残せるおすすめの調理法。
信州サーモンのスモークサーモンで春色ブレッドに。洋風“鮭定食”の組み合わせ。

イチゴごまバター・リンゴごまバター

季節のフルーツと白ねり胡麻、バターのおいしい組み合わせ。

RECIPE

イチゴごまバター・リンゴごまバター

材料/つくりやすい量

イチゴまたはリンゴ…500g 砂糖…150g 無塩バター…プロセス2のできあがり重量の20% 純ねり胡麻 白…プロセス3のできあがり重量の20%

  1. イチゴごまバター:イチゴのヘタを取って鍋に入れ、砂糖をふりかけて最低20分マリネする(前夜からできればベター)。強火にかけ、沸騰したら火をとめる。ザルにあげ、煮汁を鍋にもどしてとろりとするまで煮詰め、イチゴをもどして好みの柔らかさに煮る。
    リンゴごまバター:リンゴの皮をむいてカットし、砂糖をふりかけて最低20分マリネする。強火にかけて沸騰させ、そのまま煮詰めてキャラメル状にする。
  2. ミキサー容器を計量しておき、1を熱いうちに入れて計量する。重量の20%のバターを入れて撹拌してなめらかに乳化させる。
  3. もう一度計量し、重量の20%の純ねり胡麻 白を加えてさらに混ぜる。
ねり胡麻を入れるとサレ系のパンにも合うイチゴバターに。

春色のサラダ

イチゴごまバターでつくるドレッシングで。

RECIPE

春色のサラダ

材料/4人分

カブ…120g A[ユズの皮、果汁…1個分 太香胡麻油…20g] B [スナップエンドウ、ソラ豆、菜の花…合わせて80〜100g 水…大さじ3 太香胡麻油…大さじ1 塩…少々] イチゴ、好みの葉野菜…適量 ドレッシング[イチゴごまバター(→上記)…30g 白ワインビネガー…15g 太白胡麻油…30g] カカオニブ…適量

  1. カブは一口大にカットし、Aと合わせる。
  2. Bの野菜を掃除してフライパンに入れ、水、太香胡麻油、塩を入れてフタをし、強火で水分がなくなるまで約3分火を入れる。冷ます。
  3. イチゴは食べやすくカットする。
  4. ドレッシングの材料を混ぜる。
  5. 葉野菜とともに1、2、3を盛りつけてカカオニブをふり、4をかける。

朝起きは三文の徳

神戸のフレンチ「Matsushima」のオーナーシェフ松島朋宣さん。2021年に軽井沢にオープンした姉妹店「Koo」は、ベーカリー&暖炉の薪火で料理をするレストラン。

SPOT

Bakery&Restaurant Koo

所在地:長野県北佐久郡軽井沢町追分84-2
電話:0267-31-5423
https://www.koo.ne.jp/
【Bakery】営業時間:10:00~15:00(売り切れ次第閉店) 休業日:月、火
【Restaurant】営業時間:12:00~15:00、18:00~22:00 休業日:月、ほか月2回不定休
ランチ5500円、ディナー8800円(ともに前日まで要予約)

(2022年春の号掲載) 
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。