特集トリとタマゴ

2021.12.16

【大森由紀子さんのレシピ1】ごまで不思議なほどフレンチに仕上がる!トリとタマゴとごま油で作る大森由紀子さんの絶品レシピ〜朝食・ランチ〜


トリとタマゴの春色フレンチレシピ

春風がそよぐ季節になりました。身も心も軽くなり、キッチンでもつい鼻唄を歌ってしまいそうな陽気です。そんな時はちょっとオシャレなフレンチレシピにトライ。大森由紀子さんのおいしいワンポイントアドバイスつきです。

フランスの家庭のレシピは簡単でつくりやすく、おいしいものがたくさん。毎日つくるものですから、面倒な調理もありません。 
鶏肉はまとめて買って、煮込んでおいたり、コンフィにしたり。
「鶏のレモンマスタード煮」はパリのレストランで研修していた頃、スーパーでたくさん鶏モモ肉を買っては、自宅でつくってストックしていました。簡単でおいしいのに、パーティ料理としても好評だった自慢の一品です。
卵は4月に復活祭(イースター)が訪れる頃には、とくに注目の食材。この時季は長く寒い冬が去り、復活祭の休暇をどこで過ごそうか、親戚一同で集まって何を食べようかなど、ワクワクすることが目白押しなのです。
春らしい卵を使った一品といえば、ミモザサラダ。黄身を裏漉ししてほろほろとかけるだけなのですが、春の花といわれるミモザのようでテーブルが明るくなります。
今は全世界的に食材がボーダーレス。フランスでもごま油をはじめとするごま製品は注目されているようです。ごま風味のショコラなどもよく見かけるようになりましたし、ごま油はビーガンの人が愛用するヘルシーオイルのイメージが根づいていたり。太白胡麻油は食材を選ばない万能オイル。焙煎したごま油はヘーゼルナッツのようにナッティな香りが豊かで、フランス料理にもぴったりです。これからヨーロッパでももっと人気がでてくると思います。

コケコッコー!なおいしい目覚め

クロック・マダム

RECIPE

クロック・マダム

材料/1人分

食パン(6枚切り)…1枚 圧搾純正胡麻油 濃口…大さじ2 ハム…1枚 溶けるチーズ…50g 卵…1個

  1. 食パンは半分の厚さにスライスする。
  2. 1のスライス面でないほうにそれぞれ圧搾純正 濃口をぬる。
  3. 2の1枚を圧搾純正 濃口をぬった面を下にしてオーブンシートに置く。ハムをのせてそのまわりに溶けるチーズをちらし、もう1枚を圧搾純正 濃口をぬった面を下にして重ねる。
  4. 上にも溶けるチーズを土手状にのせ、中央に卵をのせる。230℃のオーブンで約10分焼く。

Point
本来はバターをパンにぬってつくりますが、チーズもたっぷりのせるのでけっこうヘビー。ごま油をぬるとライトになり、サクサクッと焼きあがるのでおすすめです。オーブントースターやフライパンなどお好みの方法で焼いてください。

ミモザサラダ

RECIPE

ミモザサラダ

材料/1人分

好みのサラダ…適量 ゆで卵の黄身…1個分 ヴィネグレット(つくりやすい量)[好みのヴィネガー…40ml マスタード…小さじ1/4 塩、コショウ…適量 太白胡麻油…60ml 太香胡麻油…60ml]

  1. ヴィネグレットのオイル以外の材料をボウルに入れ、泡立て器で混ぜながら、太白胡麻油と太香胡麻油を少しずつ加える。味をみて塩、コショウで調える。
  2. サラダを盛りつけ、1のヴィネグレットをかける。
  3. ゆで卵の黄身を網で漉しながらふりかける。

Point
ゆで卵の黄身をたっぷりとふりかけて、ミモザのように春らしく仕上げます。ヴィネグレット(ドレッシング)は太白胡麻油だけでもおいしいですが、太香胡麻油と合わせるとナッティで香り高いフレーバーに。

腕をふるってウィークエンドランチ

ウッフ・マヨネーズ

RECIPE

ウッフ・マヨネーズ

材料/ゆで卵4個分

マヨネーズ(つくりやすい量)[卵黄…1個分 白ワインヴィネガー…大さじ1 マスタード…小さじ1/2 太白胡麻油…約150ml 太香胡麻油…約50ml 塩、コショウ適量 白マヨ[コクと香りのねりごま 白…小さじ1] 黒マヨ[純ねり胡麻 黒ソフトパウチ…小さじ1] ゆで卵…4個 すり胡麻 黒、スプラウトなど…適宜

  1. マヨネーズをつくる。ボウルに卵黄、白ワインヴィネガー、マスタードを入れて混ぜる。泡立て器で混ぜながら、太白胡麻油と太香胡麻油を少しずつ加えてとろりとした状態に乳化させる。塩、コショウで味を調える。
  2. 1を半分に分けて、それぞれにコクと香りのねりごま 白、純ねり胡麻 黒ソフトパウチを混ぜて白マヨ、黒マヨをつくる。
  3. ゆで卵を縦半分にカットし、2の2色のマヨネーズをそれぞれ絞る。好みで黒マヨにはすり胡麻 黒、白マヨにはスプラウトなどをトッピングする。

Point
ウッフ・マヨネーズはフランスのビストロの定番メニューのひとつ。太白胡麻油と太香胡麻油でベースのマヨネーズをつくり、白、黒のねり胡麻で白マヨ、黒マヨをつくってみてください。このレシピでご紹介するベースのマヨネーズは、油脂の量が多めでソース状にとろりとしたタイプです。油の量は状態をみながら加減を。

卵のフロランティーヌ

RECIPE

卵のフロランティーヌ

材料/直径8cmのココット4個分

ホウレン草…1束 ニンニク…1かけ ベーコン…1枚 マッシュルーム…4個 圧搾純正胡麻油…大さじ1 塩、コショウ…適量 卵…4個 溶けるチーズ…適量

  1. ホウレン草はゆがいて長さ4cmに切る。ニンニクはみじん切り、ベーコンは短冊切り、マッシュルームはスライスする。
  2. 圧搾純正で1をソテーし、塩、コショウをする。
  3. ココットに2を入れ、卵をのせ、溶けるチーズをふりかける。170℃のオーブンで12~15分焼く。

Point
フロランティーヌはホウレン草入りの料理のこと。卵黄の表面にうっすらと膜が張る程度に焼いて、半熟とろりでどうぞ。

親子キッシュ

RECIPE

親子キッシュ

材料/直径18cmのタルト型1台分

ブリゼ生地[薄力粉…100g 無塩バター…50g(1cm角にカットして冷やしておく) グラニュー糖…8g 塩…2g 全卵…13g 圧搾純正胡麻油…7g ガルニチュール[ズッキーニ…1/2本 シメジ…1/2パック 鶏ひき肉(モモ肉)…100g 太香胡麻油…大さじ2 塩、コショウ…適量 プチトマト…4個] アパレイユ[全卵…75g 薄力粉…10g 生クリーム…40ml 牛乳…35ml 塩、コショウ…適量]

  1. ブリゼ生地をつくる。フードプロセッサーに全卵と圧搾純正以外の材料を入れ、サラサラになるまで回す。全卵、圧搾純正も入れて軽く回す。生地がひとかたまりになればいい。
  2. すぐに麺棒で厚さ3mmにのばし、タルト型に敷き込む。冷蔵庫で30分やすませる。時間に余裕があれば、麺棒でのばす前にも冷蔵庫で3時間以上やすませると生地がくずれにくくなる。
  3. 重石をのせて200℃のオーブンで10分空焼きし、重石を取りだしてさらに5、6分うっすら焼き色がつくまで焼く。
  4. ガルニチュールのズッキーニはイチョウ切り、シメジは石ヅキを取る。太香胡麻油で鶏ひき肉を炒め、ズッキーニ、シメジを加え、塩、コショウをする。冷ましておく。
  5. アパレイユをつくる。ボウルに全卵を入れて溶き、ふるった薄力粉を加えて混ぜる。生クリーム、牛乳、塩、コショウを加える。
  6. 3のタルト生地に4を入れ、5を流す。半分に切ったプチトマトを彩りよく並べる。
  7. 180℃のオーブンで20~30分焼く。

Point
卵のアパレイユと鶏ひき肉のガルニチュールで、親子丼ならぬ“親子キッシュ”。ブリゼ生地にはごま油を入れると、サクサクととても軽い口当たりになります。もろくてくずれやすいので、少し厚めに型に敷くのがコツ。

大森由紀子

「エートル・パティス・キュイジーヌ」を主宰し、フランスのお菓子やそうざいのおいしさを伝える。著作も多数。
http://www.yukiko-omori-etre.com/

(2020年春号掲載)
 ※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。