特集創業300周年記念フランス大特集 ごまの大冒険

2025.04.01

パリジャンは、ラーメンやおにぎりに夢中。ジャポン旋風を巻き起こす「ビストロ・ラーメン龍旗信」とおにぎり専門店「Gili-Gili」


パリの和食ブームはますます熱くなる一方。新店も増え、ふだんの食シーンにラーメンやおにぎりがなじんでいます。

ビストロ・ラーメン龍旗信

大阪・堺の「龍旗信」が仕掛けるラーメンビストロは昼夜大にぎわい

クラシックなビストロと思いきや、店内ではパリジャンたちがラーメンをすすっている光景。塩ラーメン専門店の元祖として有名な大阪・堺「龍旗信」のパリ店は、パリのラーメン好きなら知らない人はいない人気店。ラーメンは清湯、白湯、ビーガンスープの3種類がベースで、濃厚な白湯に白ねり胡麻を合わせた「白湯セザム」も人気です。枝豆や餃子、から揚げをつまみにワインを一杯、そしてラーメンを食べ、自家製のデザートで締めが同店のビストロスタイル。パリ市内には7区にエッフェル店もあり、今年中にリゾート地のシャモニーにも新店オープンが決まりました!

白湯セザム(PAÏTAN SÉSAME)

鶏白湯に白ねり胡麻を溶かした、滋味深いさっぱりスープ。ムール貝のオイルで香味をつけ、チャーシュー2種、ポロネギのかき揚げ、卵をトッピング。ラー油をたらすのもおすすめ。
ごま油で唐辛子を煮だしたごま油屋のラー油は、フランスで人気が爆発しそうな予感。餃子にはもちろん、フランスでは枝豆にもラー油をよくかける。
「塩味のラーメンにはごま油が合う。僕がヤミツキになってます」と吉村優店長

SPOT

ビストロ・ラーメン龍旗信 BISTRO RAMEN RYUKISHIN

所在地:59 rue de Richelieu
75002 Paris
電話:06 16 91 88 15
https://www.ryukishin.fr/
http://www.ryukishin.com/

ギリ-ギリ

日仏夫婦のおにぎり職人が愛情込めてにぎってます!

ミュージシャンだったサミュエル・トリフォーさんがおにぎり職人の道を歩んだのは、日本のコンビニで買ったツナマヨおにぎりが衝撃的においしかったことがきっかけ。その後出会ったマダムの渡辺愛さんへのプロポーズは「パリでおにぎり屋をしませんか」だったとか。二人はおにぎり愛で結ばれ、パリでも先駆け的存在として2019年におにぎり屋を開店しました。現在お店はサン・ラザール駅の近くにあり、梅おかかやトンマヨ(ツナマヨ)、明太子など定番から日替りまで10種類のおにぎりを販売しています。「フワフワににぎったおにぎりで、グルテンフリー、ビーガン、ハラルなど、誰が来ても食べられるように具を選んでいます」と愛さん。おにぎりの具にはごま油もよく使われています。

ビーツきんぴら(Kinpira betterave)

チャーミングなピンク色でファン多し。ごま油で炒めたビーツのきんぴらで混ぜ込みごはんに。

RECIPE

ビーツきんぴら

材料/つくりやすい量

ビーツ…1/4~1/2個 ニンジン…1本 太香胡麻油…大さじ1 A[醤油…大さじ2 酒、みりん、砂糖…各大さじ1] 一味唐辛子…大さじ1 ごはん…米2合(300g)分 白いり胡麻…大さじ1

  1. ビーツとニンジンを細切りにし、5分下ゆでする。
  2. 太香胡麻油でビーツ、ニンジンの順に炒め、Aで調味し、一味唐辛子を加える。
  3. ごはんに②と白いり胡麻を混ぜ込み、おにぎりをつくる。

梅納豆(Ume natto)

納豆にきざみ梅干し、ポン酢と胡麻油 一番搾りで味つけ。納豆が苦手なフランス人も食べられる絶妙味。

ピリ辛マッシュルーム(Champignon piquant)

太香胡麻油で炒めたマッシュルームとネギ、ガーリック、ごま油屋のラー油の混ぜ込みごはんで。

キクイモの豆乳味噌汁(Soupe miso au lait de soja et au topinambour)

太香胡麻油で玉ネギとキクイモを炒め、昆布とシイタケのダシ、その半量の豆乳を入れて味噌で調味。
「お米は富山県産なのはな米。おにぎりづくりを体験するワークショップも人気です」とおにぎり職人の夫妻。サミュエルさんはヨーロッパ中のおにぎりコミュニティで有名人。

SPOT

ギリ-ギリ Gili-Gili

所在地:3bis rue de Budapest
75009 Paris
https://gili-gili.fr/

オープンしたてのおにぎり・いなりショップも、日本のおむすび権米衛もあります!

パリは空前のおにぎりブーム。スーパーにも日本のコンビニのような三角おにぎりが並び、専門店も増加中。日本でもこのブームが紹介されて「パリおにぎり」という言葉が生まれ、パリならではのおにぎりの具のアレンジは日本にも逆輸入される勢いです。パリには日本でもおなじみのおむすび権米衛がパレ・ロワイヤルとレピュブリックという好立地に2店出店。日本と変わらないおいしいごはんでおむすびをむすんでいます。一方、昨年10月にプランタン近くにオープンしたコメコメは、おにぎりといなり寿司を具だくさんにアレンジし、瞬く間に行列店になりました。

おむすび権米衛

おむすび権米衛レピュブリック店におじゃましました! パリのお店は日本とはちょっとちがうガラスケースに陳列。鶏マヨやゆかり、高菜、トマトオリーブ玄米など20種近くが並び、目移りするのは必至。スタッフがほかほかごはんを次から次へとむすんで店頭に並べるのは、日本と同じスタイル。ごはんもおいしく、むすびたてのほんのり温い感じが◎。

フランスでもトンマヨ(ツナマヨ)が人気!

コメコメ

コメコメにはパリおにぎりのみならず、いなり寿司の上にたっぷりトッピングする“パリいなり”も登場。「ブッラータ、ピスタチオ、ジェノベーゼソース」「照り焼きチキン、マンゴー」など、フランスならではの素材使いの発想で、見てるだけでもカラフルでテンションが上がるラインナップ! 

僕たちがにぎってます!
これが噂の「パリおにぎり」

(2025年春の号掲載)
 ※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。