特集進化する太白胡麻油

2023.10.12

クープ・デュ・モンド優勝の柴田シェフが教えてくれた、ピュアに香る柚子パウンドケーキのレシピ


クープ・デュ・モンドで日本チーム優勝を果たした柴田勇作シェフ。フルーツならではの繊細な酸味を際立たせた、パウンドケーキのレシピを提案します。

日本一と名高い、徳島県の木頭柚子。和の柑橘ならではの繊細で上品な香りをもち、それでいて力強い酸味があります。この香りと風味の輪郭をだすためには太白胡麻油がいい、と柴田勇作シェフはいいます。
「フランス菓子は本来バターや乳製品が生む味わいですが、太白胡麻油はフルーツなどの素材をピュアに感じさせてくれます」
ケーク木頭柚子は柚子を使った生地、コンフィ、クリーム、パータ・グラッセで構成する、プティガトー発想の焼き菓子。このうち3つのパーツに太白胡麻油が使われています。生地は木頭柚子の酸味や素材感が鮮烈。クリームとパータ・グラッセはチョコレートの固まり方を適度な柔らかさに調整するために、太白胡麻油を配合しています。香り、味、テクスチャーがバランスよく折り重なり、口溶けのいいピュアなパウンドケーキが生まれました。

ケーク木頭柚子

太白胡麻油だから表現できるフレッシュな柚子感

RECIPE

ケーク柚子生地

材料/23cm×5cm×高さ5cm(パウンド型5台分 *1)

A[太白胡麻油…315g キビ砂糖…210g 和三盆糖…105g 転化糖…21g] B[中力粉…210g アーモンドパウダー…105g  ベーキングパウダー…5g] 全卵…315g バニラオイル…2.1g 柚子果汁…42g

  1. Aを混ぜ合わせ、B、全卵、バニラオイル、柚子果汁の順に加え、きちんと乳化させながら混ぜる。
  2. 型(離型の準備をする)に250gずつ入れる。170℃のコンベクションオーブンで15分焼き、上に網をのせてさらに約22分焼く。

*1 シリコマート社/PARIS550

RECIPE

コンフィ柚子

材料/1台に34g使用

柚子皮…適量 グラニュー糖…ボイル後の柚子皮の50%量(=A) 柚子果汁…Aの10%量

  1. 柚子皮を3回ボイルする。
  2. 1と他の材料をBrix50%まで煮る。

RECIPE

柚子クリーム

材料/1台に26g使用

柚子のクーベルチュール*2…100g 太白胡麻油…40g

  1. クーベルチュールを溶かし、太白胡麻油を加えて混ぜる。

*2 ヴァローナ/インスピレーション・ユズ

RECIPE

パータ・グラッセ柚子

材料/つくりやすい量

ホワイトチョコレート…400g 柚子のクーベルチュール*2…200g 太白胡麻油…60g アーモンドダイス(16割)…30g

  1. チョコレート2種を溶かし、太白胡麻油を加えて混ぜ、アーモンドダイスを加える。

*2 ヴァローナ/インスピレーション・ユズ

RECIPE

仕上げ

材料

粉糖、金箔…各適量

  1. ケーク柚子の凹み(焼成時の下面)にコンフィ柚子、柚子クリームを順に絞る。
  2. パータ・グラッセ柚子を40℃に調整し、1を上面の縁まで浸して余分を切る。冷蔵庫で一晩落ち着かせる。
  3. 上面の生地部分に粉糖をふり、金箔を飾る。冷蔵で約1週間日持ちする。
PRISM
柴田勇作

1986年、東京生まれ。京王プラザホテル、エコール・クリオロ、ザ・ペニンシュラ東京、銀座マルキーズなどで修業。2023年のクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーで日本チームの一人として優勝を飾る。現在は木頭柚子の生産地との縁をきっかけに徳島に移住し、(株)PRISMを立ちあげてコンサルタントなどを手掛ける。2024年2月の独立開業に向けて準備中。

(2023年秋の号掲載)
 ※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。