特集ネオ南九州

2025.07.10

宮崎ラーメンの進化。風系の元祖「風来軒」で味変薬味を楽しむ。「らぁめん風や」は夏柑橘へべすの冷やしラーメン


風来軒[宮崎]

濃厚とんこつ!元祖、宮崎「風系」ラーメンでにんにくしょうゆの味変ワールド

あっさり系とんこつの宮崎ラーメンに変化が起きたのは36年前。「風来軒」創業者の先代店主が研究を重ねた濃厚とんこつが評判となり、いつしか同店出身者が「宮崎濃厚とんこつ」ラーメンの一派を築き、「風(かぜ)系」と呼ばれるようになりました。羽釜でガンガン炊き込む風来軒のとんこつスープは、とろんと乳化して濃厚なのに、くさみがなく飽きがこない味わいです。「宮崎ラーメンに欠かせないのが味変の薬味です」と二代目の中野佑紀さん。なかでもにんにくしょうゆは卓上にマストで、他にも紅しょうが、半ずりの白ごま、コショウなどがそろっています。好みの薬味を好きなタイミングで、好きなだけ加えて味変していくのが、宮崎ラーメンのおすすめの食べ方です。

とんこつしょうゆ

最後にかけるごま油の香りとコク

とんこつと醤油のWスープであっさり、かつとんこつのうまみ強し。純正胡麻油(業務用)を最後の香りづけにかける。「とんこつスープと醤油や味噌、塩などの調味料をつなぐためにはごま油が必須」(中野さん)。900円

黒ゴマ担々麺

担々麺ブームのはるか前からある、25年来の人気メニュー。Wスープに黒ねり胡麻と黒いり胡麻がたっぷりで、まろやか。自家製の中細ちぢれ麺に濃厚なスープがよくからむ。1160円

風来軒のにんにくしょうゆは、生のすりおろしニンニクとスライスを甘口醤油ベースのラーメン用タレに漬けたもの。香りは強烈だが、スープに合わせたり、チャーハンにかけたりすると、味が丸くなる。

代表取締役の中野佑紀さんと本店スタッフ。3月には新業態「辛麺 NAKANOYA」もオープン。コンセプトはラーメン屋の辛麺。

SPOT

風来軒 加納本店

所在地:宮崎市清武町加納甲1836-2
電話:0985-84-1620
営業時間:11:00~22:00(21:30L.O.)
休業日:無
https://furaiken.co.jp/

らぁめん風(ふう)や[宮崎]

夏ラーメン!宮崎の夏柑橘へべすでさっぱり。今年も登場、人気の冷やしラーメン

宮崎県延岡市の「らぁめん風や」は創作ラーメンが評判の店。メニューは鶏ガラととんこつスープの二本立てで、季節限定や裏メニューも含め25品以上のバリエーションがあります。コンセプトは「食べやすいラーメン」。とんこつスープは食後にもたれないようすっきりした味にし、調味料にはミネラル塩を使うなど、あと味のよさを追究しています。そのためか女性客やファミリーが多く、サラダラーメンや塩バジルラーメンなどの創作メニューが人気です。7、8月には昨年に続き、期間限定の「冷やしへべすラーメン」も登場。宮崎の夏を代表する柑橘へべすは酸味に丸みがあり、スープがさっぱりまろやか。暑い夏もこの一杯があれば、すっきり爽やかになることまちがいなし。

冷やしへべすラーメン

夏はへべす!

純正胡麻油(業務用)で和えた麺に、盛り盛りのサラダ、炙りチャーシューと鶏もも肉、ゆで卵をのせた冷やし中華。鶏ガラスープに純米酢、へべす果汁、ハチミツなどを合わせ、純正胡麻油と白すり胡麻をアクセントに。さっぱり、まろやか。1080円

辛深(しんしん)麺

宮崎のソウルフードの辛麺とはちょっとちがい、辛さよりもオリエンタルなスパイスブレンド推しの味わい。純正胡麻油に香味野菜の香りを移し、一味唐辛子で辛さをだした自家製ラー油が味の決め手。ピーナッツバターと白すり胡麻でコクをだす。1100円

ゴマ豚骨ラーメン

醤油ダレ、ラード、純正胡麻油、黒コショウ、鰹粉などにとんこつスープを注ぎ、とろっとするほどすり胡麻をたっぷり入れたクリーミーなスープの一品。ごまの風味と食感が醍醐味。麺は中細ストレートの自家製麺で、つるつる感とコシがあり、噛むと中は少しもちっ。900円

店主の内山卓登さんは父かららぁめん風やを継いで4年、ラーメン人生は13年という若きベテラン。製麺、スープ、調味料づくりなどはすべて店で行い、「創作ラーメンを食べにきてくださるお客様の気持ちに応えたい」という。

SPOT

らぁめん風や

所在地:宮崎県延岡市安賀多町4-1-12
電話:0982-31-5550
営業時間:11:00~14:30(14:00L.O.)、
土、日、祝 ~15:00(14:30L.O.)、18:00~21:00(20:30L.O.)
休業日:木(他不定休あり)
https://www.ramen-fuya.online/

(2025年夏の号掲載)
 ※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。