特集水と油

2023.04.13

乳化が生むなめらかテクスチャー&まろやかな味わい。簡単につくれるマヨネーズ、ドレッシングのおすすめレシピ


その2:乳化から生まれるなめらかテクスチャー&まろやかな味わい

マヨネーズとドレッシングは水と油の乳化から生まれる代表。水と油なのになぜ混ざりあうのかというと、それは水と油をつなぐキューピッド、乳化剤の役割をする素材があるからです。卵黄や豆乳などを乳化剤として入れ、太白胡麻油や太香胡麻油でベーシックなマヨネーズ、豆乳マヨネーズ、ドレッシングをつくりました。ごま油は油のなかでも乳化しやすいので、舌ざわりもなめらかで、素材の味がまろやかに混ざりあったおいしさが生まれます。

太白マヨネーズPURE

濃厚風味なのに、カロリーダウン

このマヨネーズの油脂は一般的なレシピの半分以下。乳化しやすいといわれる太白胡麻油を使うので、しっかり乳化してとろりとなめらかな状態をキープ。太白胡麻油のコクが卵黄の味わいを引きあげるので濃厚です。これならカロリーを気にする人でも、マヨネーズを罪悪感ナシで食べられる!? 

RECIPE

太白マヨネーズPURE

材料/つくりやすい量

A[卵黄…1個分(室温にもどす) 酢*…大さじ2/3 塩…小さじ1/2 カラシ…小さじ1] 太白胡麻油…80ml
*酢は好みのもので。米酢を入れるとまろやかな酸味になる

  1. ブレンダーなどにAを入れ、全体がしっかり混ざるまで回す。い ったん容器の内側をゴムベラできれいにする。
  2. ブレンダーを回しながら、太白胡麻油をまず数滴だけ入れる。しばらく回したらもう一度少量だけ加えて回し、あとは細く少しずつ加える。入れ終わったら、油が全体にしっかりなじむまで回す。

    ◉つくる量はブレンダーの容量に合わせて加減してください。

豆乳マヨネーズVEGAN

ヘルシー素材の豆乳でヴィーガンマヨネーズ

豆乳をベースにつくる、ちょっと軽めのマヨネーズ。豆乳は油と乳化しやすく、クリーム状にきれいに乳化します。太白胡麻油が大豆のクセをまろやかにマスキング。オレンジの風味がとてもさわやかです。ヴィーガンマヨとしてもおすすめ。

RECIPE

豆乳マヨネーズVEGAN

材料/つくりやすい量

A[豆乳…80ml オレンジ果肉か果汁…30g 酢…大さじ2 塩…小さじ1/2] 太白胡麻油…100ml

  1. ブレンダーなどにAを入れ、すぐに全体がとろりとするまで回す。いったん容器の内側をゴムベラできれいにする。
  2. ブレンダーを回しながら、太白胡麻油をまず少量だけ入れる。しばらく回したらもう一度少量加えて回し、あとは細く少しずつ加える。入れ終わったら、油が全体にしっかりなじむまで回す。

    ◉つくる量はブレンダーの容量に合わせて加減してください。

醤油ごまドレッシング

香味満点、うまみあふれる万能ドレッシング

ほんのり甘くて、ごまの香味が食欲をそそる和風ドレッシング。通常のドレッシングはすぐに上のほうに油が分離してきますが、このドレッシングは分離しにくいのが特徴。今回使ったキッコーマンの業務用「極うまとろみ丸大豆しょうゆ」は、一般的な醤油よりも乳化しやすく、しかも熟成感あふれるコクがあるので、醤油の分量を減らしても物たりなさを感じないドレッシングをつくれます。

RECIPE

醤油ごまドレッシング

材料/つくりやすい量

A[極うまとろみ丸大豆しょうゆ…大さじ1 醤油…大さじ1/2 酢…大さじ2 きび砂糖…小さじ2 太香胡麻油…大さじ4] すり胡麻 白…小さじ1

  1. Aの材料をよく混ぜ合わせて乳化させる。
  2. すり胡麻 白を加えて混ぜる。

左は一般的な醤油と油を混ぜ、右は極うまとろみ丸大豆しょうゆと油を混ぜて時間が経過した状態。ふつうならば分離するが、極うまとろみ丸大豆しょうゆは乳化状態を保っている。

サンプル提供:キッコーマン食品(株)

キッコーマン 極うまとろみ丸大豆しょうゆ 1.3l×2 パック入り
原料は大豆、小麦、食塩のみで無添加なのに、とても濃厚な味わいの濃口醤油。油との相性がよく、乳化力が高い。業務用商品。
https://www.kikkoman.co.jp/products/product/G010549/index.html(キッコーマン)

乳化は水と油が混ざりあった状態です

水と油は本来は混ざりあわないもの同士ですが、細かい粒子の状態で混ざった状態のことを「乳化」といいます。水と油の乳化状態を維持するためには、双方をくっつける役割をもつ「乳化剤」の存在が不可欠。乳化剤は分子レベルで水に溶けやすい部分と、油に溶けやすい部分の両方を持ちあわせているので、双方とくっつくことができ、水と油を混ざらせることができるのです。乳化には2つのタイプがあり、ひとつは水中に油が細かい状態で分散した「水中油滴型」でドレッシングやマヨネーズが一例。もうひとつは逆に油に細かい水分が分散した「油中水滴型」で、これはバターが代表です。

乳化剤の分子


ひとつの分子に水、油双方になじみやすい部分があるため、水と油を乳化させることができる。

水中油滴型 油中水滴型


ほかにもアイスクリーム、ガナッシュ、スポンジやパウンドケーキなどの生地、フランス料理のとろみがあるソースのおいしさも乳化が生みだすもの。

(2023年春の号掲載)
 ※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。