特集薬味、ごま偏愛
2022.07.26
【超一流のごま薬味づかい】「メツゲライクスダ」の楠田シェフ直伝。家庭でつくる、ごまづくしの鶏レバーのムース・セザム
メツゲライクスダ
家庭でつくる、ごまづくしの鶏レバーのムース・セザム
シャルキュトリーは和食の漬物のような存在。どの家庭でも常備していて、主食のパンのおかずで、地域性があって種類も豊富。だから、ごはんにも合う、日本のシャルキュトリーをごま油でつくってみようと思いました。おもな材料はレバーとごま油と塩。だれでも焼き肉屋のアレ、とイメージがつく組み合わせなので、シャルキュトリーを食べ慣れない人にも興味をもってもらえると思います。ポイントはごま油できちんと乳化させること。調和が生みだす味わいを楽しんでください。
RECIPE
ムース・セザム
材料(27cm×8cm×高さ8cm テリーヌ型1本分)
鶏レバー…380g A[塩…16g 白コショウ…3g ナツメグ…1g] 卵黄…2個分 玉ネギ…140g*スライスし、太香胡麻油(分量外)で軽く炒める 純ねり胡麻 白…200g 太香胡麻油…100g 胡麻油 一番搾り…20g ごま油屋のラー油…6g 生クリーム…150g*沸かす ショウガの奈良漬…150g*薄切りにする いり胡麻 金…適量
-
鶏レバーをフードプロセッサーにかけてなめらかにし、Aを加える。
-
さらに回すと、塩がレバーのタンパク質に作用してねっとりとした状態になる。
-
あとは順番に材料を加えては回して混ぜていく。まず卵黄を加えて混ぜる。
-
次に炒めておいた玉ネギを加える。
-
純ねり胡麻 白を加えて混ぜる。
-
フードプロセッサーを回しながら、太香胡麻油、胡麻油 一番搾り、ごま油屋のラー油を加え、生クリームも加える。
-
最後にショウガの奈良漬を加え、5〜8mm角くらいになるまで回す。
-
レバーとごま油や他の材料がきれいに乳化してつながり、ツヤツヤのテリがでる。
-
テリーヌ型に入れてならし、台に打ちつけて中の気泡を抜く。
-
いり胡麻 金を表面全体にびっしりまぶす。
-
天板やバットにのせてお湯を数センチ張り、80℃のオーブンで1時間~1時間20分焼く。芯温70℃を目安に。
◎型は家にあるものでOK(焼成温度と時間は変わらず)。
◎冷蔵で約1週間保存できる。もしくは適当な大きさにカットしてラップをぴったりと密着させて包み、冷凍保存してもOK。食べる時は自然解凍を。
世界初のこの味わい!だからこんな和洋の食べ方で
クルミのバゲットで
メツゲライクスダのハムやベーコンでそうざいパンをつくっている、ベーカリー「コム・ン」の大澤秀一シェフがセレクトしたクルミのバゲットとともに。「鶏レバーのムースがしっとりとして、味も濃厚なので、全粒粉やライ麦の風味があり、軽い食感で、クルミがアクセントになるバゲットを選びました」(大澤さん)。クルミに太白胡麻油をからめてから練り込むので、生地が乾燥しにくく、歯切れよくサクッとしています。
ごはんにも合うサプライズ!
奈良漬やごま油が入っているので、不思議なほど、ごはんにもぴったり。味噌おにぎりの感覚でおにぎりにぬると、なんともリッチな味わいです。ごはんには穂ジソや大葉を混ぜ込んだり、韓国海苔で巻くのもおすすめ。
楠田裕彦
1972年、兵庫県生まれ。ハム職人だった父をみて育ち、1996年からドイツ、フランスで修業。2004年にメツゲライクスダ六甲道店、2009年に芦屋店を開店。2021年には農林水産省「料理マスターズ シルバー賞」受賞。メツゲライはドイツ語でシャルキュトリー(ハムやソーセージの専門店)。
SPOT
メツゲライクスダ 芦屋店
所在地:兵庫県芦屋市宮塚町12-19
電話:0797-35-8001
営業時間:10:00~18:00、イートイン11:00~17:00(15:30L.O.)
休業日:水、第3火
https://metzgerei-kusuda.com/
六甲道店もある。ウェブサイトにオンラインショップあり
(2022年夏の号掲載)
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。