特集香り中華

2025.02.20

ごま油を変えると炒飯は変わる。ごま油と黒酢のうまみがすごい「ON the TABLE CHINESE」平賀シェフの炒飯


究めるごま油、豊潤・淡麗な銘菜

中国料理ほど油の存在が大きい料理はありません。だからこそ、いい油を選ぶことは料理の質を上げ、食べる人の健康にもつながります。ここでご紹介する5店の銘菜を通して、ごま油の価値をあらためて究めます。

平賀大輔[ON the TABLE CHINESE]

生姜炒飯

ごま油と黒酢で味を組み立てる、シンプルさっぱり炒飯

ごま油にはリッチなうまみがあります。このうまみがあれば、具を入れなくても、十分味わい豊かな炒飯ができるのでは!? こんな好奇心に平賀シェフが応じてくれました。つくったのは、ショウガ、黒酢、卵と太白胡麻油、太香胡麻油の2種類の炒飯。材料と分量、つくり方は同じで、ごま油だけを変えて味や香りを比較した結果、それぞれ特徴のある炒飯ができました。
太白胡麻油の炒飯は、卵やごはんの甘みがでて、丸い味わい。一方の太香胡麻油は、うまみに加え、おだやかな焙煎感に満ちて、それに引っ張られるように黒酢の香りや酸味も際立ちます。「うまみと香りの相乗効果で、味の変化が起きることに驚きました。太白胡麻油は甘さを感じる『うまみ炒飯』、太香胡麻油は『黒酢を楽しむチャーハン』ですね」と平賀シェフ。ごま油のうまみは偉大です。

RECIPE

生姜炒飯

材料/1皿分

ショウガ(3mm角)…大さじ2 黒酢…適量 卵(L)…1個 ごま油…大さじ2 温かいごはん…250g 塩…小さじ1/2 コショウ…少々 玉ネギ(みじん切り)…大さじ2 醤油…小さじ1/4

  1. ショウガを黒酢に10分漬け、ザルにあげて黒酢を切る。黒酢をそのまま加えると炒めあがりがベチャッとしやすいので、あらかじめ黒酢でショウガをマリネしておく。
  2. 卵を溶く。
  3. 中華鍋にごま油を入れて強火で熱し、②、ごはんを入れて手早く混ぜながら炒める。はじめの5秒で卵が固まる前にごはん1粒ずつをコーティングするのがポイント。
  4. ①を加え、塩、コショウをし、玉ネギを加えてさらに炒め、最後に醤油を加える。
「シンプルな炒飯はコースの締めにいいと思うので、さっぱりと食べられるように黒酢に漬けたショウガを具にしました」(平賀シェフ)
平賀大輔
1980年、東京生まれ。Wakiyaに長年在籍し、福岡「蓮双庭」(閉店)の料理長を7年務める。「dots」(閉店)の料理長を経て、2024年に「ON the TABLE CHINESE」を独立開業。

SPOT

ON the TABLE CHINESE

所在地:東京都渋谷区渋谷3-2-6 帝都青山ビル1F
電話:03-5962-7886
営業時間:18:00~23:00(日・祝~22:00)
定休日:水、第1、3、5日曜
Instagram@onthetable_chinese0116

(2024年冬の号掲載)
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。