特集春めくおにぎり、サンドイッチ

2024.04.09

「ラ・ボンヌ・ターブル」中村シェフは具だくさん派。伝統的なフランス料理を進化させた攻めのおにぎり、サンドイッチ


自由奔放なおにぎり、サンドイッチ

気軽に食べられるカジュアルフードのおにぎり、サンドイッチも時代の流れとともに進化しています。変化するおもしろさがある一方で、常に変わらぬおいしさもあります。パリ、東京の三人のシェフたちのフィルターを通して、春らしいおにぎり、サンドイッチをお届けします。

ラ・ボンヌ・ターブル[Tokyo]
フレンチと日本のエッセンスが融合したユニークなおにぎり、サンドイッチ

「おにぎりがパリでブームと聞いて、日本人のフランス料理人である僕としては、俄然燃えました」
と中村和成シェフ。おにぎりはサーモン・クリビヤック(パイ包み焼き)、タルティーヌ仕立てのサンドイッチはウフ・ブルイエ(半熟スクランブルエッグ)といった王道のフランス料理を主役にまとめました。フランス料理の皿に欠かせないソースはそれぞれソース・ヴァン・ブラン(白ワインソース)とソース・ペリグー(黒トリュフソース)を添え、これらの酸味が漬物やピクルスのようです。
「僕は具推し派。たっぷりで、しかもいろいろな具が存在を主張しあうおにぎりやサンドイッチが好きです。この2品も油脂が多めで満足感はマックス、でもソースの酸味で食後のさっぱり感をだしているのが現代的なアプローチです」
食べてみると、フレンチな見かけをちょっと裏切り、意外やおにぎりとサンドイッチらしさが感じられるのです。 

おにぎりのパイ包み サーモン・クリビヤック仕立て

パイ生地 / 青海苔とコンテ、金ごまのリゾット 鮭の西京味噌漬け / ウニのソース・ヴァン・ブラン

青海苔とコンテ、金ごまの香りがただようリゾットで、西京味噌に漬けた鮭を三角ににぎる。この“鮭おにぎり”をパイ生地で包んでオーブンで焼きあげ熱々に。白ワインベースのソース・ヴァン・ブランをバターと太白胡麻油の油脂で乳化させ、ウニとトマト、ハーブを加えて仕上げる。一見ヘビーなおにぎりだが、コクと軽さを両方そなえたソースで一気に食べられる。

親子丼のタルティーヌ

鴨の蜜焼き ウフ・ブルイエ / 全粒粉のパン・ド・カンパーニュ 圧搾純正胡麻油 濃口 / ソース・ペリグー

こぼれんばかりのウフ・ブルイエとオリエンタルテイストの鴨の蜜焼きをパンにのせ、マデラ酒と黒トリュフが香り立つソース・ペリグーを添える。全粒粉のパン・ド・カンパーニュ(ブリコラージュ・ブレッド&カンパニーの農民パン)は小麦粉の香りが香ばしく強い印象なので、あえてバターではなく、パンチがある圧搾純正胡麻油 濃口をしっかりとぬる。焼いた小麦粉とごま油はフレーバーペアリングの相性がよく、パンに負けない強い味のトーンの卵や鴨のフィリングをひとつにまとめる。

中村和成
「レフェルヴェソンス」のスーシェフを経て、2014年に姉妹店「ラ・ボンヌ・ターブル」のシェフに就く。InstagramやYouTubeチャンネルを通じて精力的に発信、現在は広尾「ル・ビストロ・デ・ブル」の料理監修も兼任する。

SPOT

LA BONNE TABLE

所在地:東京都中央区日本橋室町2-3-1 コレド室町2 1F
電話:03-3277-6055
営業時間:11:30~15:00(13:30L.O.)、18:00~23:00(20:00L.O.)
休業日:月曜中心に不定休
https://labonnetable.jp/
ランチはプリフィクスコース6800円~、ディナー1万3000円~

レシピはこちらから
https://gomashiki.gomaabura.jp/content/uploads/2024/03/web_gomashiki151_maisonlabonnetablekoju_240309.pdf

(2024年春の号掲載)
 ※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。