特集フードテックとおいしい、やさしい未来

2022.10.20

「日本橋ゆかり」におそわる、温故知新のお江戸エナジースイーツ


さつまいもは江戸時代から人気者!

江戸時代から人気の甘味は、実は現代のエナジーバーやサプリメントバーに代替できる!? サツマイモやカボチャ、小豆といった素材は自然な甘みをもち、ポリフェノールやビタミン、食物繊維、エネルギー源となる糖質などの栄養も豊富。温故知新の体が喜ぶエナジースイーツを「日本橋ゆかり」の野永喜三夫さんにおそわりました。

いもけんぴ

ワンバイト(一口サイズ)に元気の素がつまってる!醤油とごま油入りの砂糖衣が食べ飽きない。

カリン、カリン食べ飽きない!

RECIPE

いもけんぴ

材料/つくりやすい量

サツマイモ…400g 揚げ油(太白胡麻油3:胡麻油 一番搾り1)…適量 砂糖衣[砂糖…100g 水…60g 醤油…15g 圧搾純正胡麻油 濃口…15g] いり胡麻 黒…適量

  1. 大きめのフライパンに揚げ油を2cmくらい入れる。
  2. サツマイモを皮つきのまま長さ3等分に切り、小指くらいの太さに細く切る。切ったらすぐに①に入れていき、すべて入れたら揚げ油がヒタヒタになるように必要ならば足す。
  3. 中火にかけてゆっくりと180℃まで上げ、時々混ぜながらカリカリに揚げる。
  4. サツマイモを揚げている間に、別のフライパンに砂糖衣の材料を入れて中火にかけ、蜜状になるまで煮つめる。
  5. ③の油を切り、すぐに④に入れてからめ、仕上げにいり胡麻 黒をふる。バットに広げて冷ます。

◉切ったサツマイモをすぐに冷たい揚げ油に入れるつくり方。水にさらす工程が不要で、さらさないので油のハネもなく安心。中火でゆっくり揚げると、サツマイモの甘味が増す。

◉⑤の工程は混ぜすぎると砂糖が白く固まるので、さっとからめる程度に。好みでシナモンパウダーを入れても美味。

いも天エナジーバ-

甘さが凝縮した焼きいもだけでもおいしいのに、それをさらにエネルギー源の油で揚げてパワーアップ。おいしさも倍増。

これはまさにエナジーバー!

RECIPE

いも天エナジーバ-

材料/つくりやすい量

焼きいも(市販)…2本 揚げ油(太白胡麻油5:胡麻油 一番搾り1)…適量 天ぷら衣…適量

  1. 焼きいもは太さによって縦4等分か半分に切る。
  2. フライパンに揚げ油を3cmくらい入れ、火にかける。①に天ぷら衣をつけ、180℃くらいで揚げる。
味変におすすめの「ごま油塩」。焼きいもの甘さをさらに引きだす!

ラム納言アイス

市販のアイスクリームを使い、ごま油やねり胡麻の油脂分でエナジー&フレーバーをアップ。ラム酒をきかせた甘納豆とごまの風味は相性抜群。

ラムと小豆、ごまのトリオで

RECIPE

ラム納言アイス

材料/4人分

ラム納言[甘納豆…50g ダークラム…30g] バニラアイスクリーム(市販)…200g コクと香りのねりごま 白…20g 純ねり胡麻 黒ソフトパウチ…10g 太白胡麻油…10g 圧搾純正胡麻油 濃口…5g ダークラム…5g

  1. 甘納豆をさっと洗って表面の砂糖を落とし、水気をふき取る。ダークラムとともに真空パックする(もしくは一晩漬ける)。
  2. バニラアイスクリームを溶かし、他の材料を加えて混ぜ、容器に入れて冷凍庫で凍結させる。途中、ある程度固まってきたら、①を加えて混ぜて冷凍庫にもどす。

◉太白胡麻油は植物性の生クリームのイメージ。あっさりしてるのに、うまみがあり、味も食感もまろやかになる。

干ししいたけのピールチョコ

ごま油と甘く炊いた干ししいたけがまるでグミのようで、しいたけとは気づかないほどの変化に驚き。チョコレートと干ししいたけ、ごま油の相性◎

おやつ漢方!?

RECIPE

干ししいたけのピールチョコ

材料/つくりやすい量

干ししいたけ(どんこ)…12枚 水…750g 砂糖…250g 圧搾純正胡麻油 濃口…8g チョコレート[ミルクかスイートチョコレート…100g 胡麻油 一番搾り…大さじ1]

  1. 干ししいたけは水に浸けてもどし(約150gになる)、軸を切り落とし、傘を4~6枚に薄く切る。
  2. 鍋に①ともどし汁、砂糖、圧搾純正胡麻油 濃口を入れて炊く。しばらくしたら火をとめていったん冷まし、もう一度炊き、火をとめてそのまま冷ます。
  3. ②をバットなどに広げ、風通しのよいところに2、3日おいて干す。グミくらいの弾力になればいい。
  4. チョコレートを溶かし、胡麻油 一番搾りを加える。
  5. ④に③をくぐらせて固める。

れんこんモチモチ団子&かぼちゃモチモチ団子

ナチュラルな甘みにかなうものなし。砂糖を入れずれんこんとかぼちゃのデンプンの甘さを生かした、ふわり&モチモチの滋味深いお団子。野菜の食物繊維や栄養素も余さずいただきます。揚げるかわりに、表面を軽くあぶってもOK。

ふわり&モチモチ!体を元気にするスイーツ

RECIPE

れんこんモチモチ団子

材料/6本分

レンコンすりおろし(汁ごと)…100g 上新粉…140g 水…40g 圧搾純正胡麻油 濃口…5g みたらしあん[砂糖…大さじ5 水…大さじ6 醤油、 圧搾純正胡麻油 濃口…各大さじ2 片栗粉…大さじ1] 太白胡麻油…適量

  1. レンコンをすりおろし、上新粉、水、圧搾純正胡麻油 濃口と練り混ぜる。
  2. お湯を沸かし、①を一口大に丸めて入れてゆで、浮いてきたら水にとって冷ます。水気をふき取り、3個ずつ串にさす。
  3. フライパンにみたらしあんの材料を入れて火にかけ、とろみがつき透明になるまで混ぜながら煮る。
  4. フライパンに太白胡麻油を3cmほど入れて火にかけ、②を180℃で色をつけないように揚げる。
  5. ④を③にくぐらせる。

RECIPE

かぼちゃモチモチ団子

材料/6本分

蒸しカボチャ…70g 上新粉…120g 水…70g 圧搾純正胡麻油 濃口…5g ごまあん[あんこ…100g 純ねり胡麻 黒ソフトパウチ…30g 圧搾純正胡麻油 濃口…5g] 太白胡麻油…適量

  1. カボチャは皮をむいて蒸し、上新粉、水、圧搾純正胡麻油 濃口と練り混ぜる。
  2. お湯を沸かし、①を一口大に丸めて入れてゆで、浮いてきたら水にとって冷ます。水気をふき取り、3個ずつ串にさす。
  3. ごまあんの材料を混ぜ合わせる。
  4. フライパンに太白胡麻油を3cmほど入れて火にかけ、②を180℃で色をつけないように揚げる。
  5. ④の上に③をトッピングする。

さつまいもは江戸時代の人たちを救い、やがて大人気の食べ物に!

さつまいもは江戸時代に中国から伝わり、沖縄や九州を経由して本州にも入りました。当時、救荒作物として幕府が栽培を推奨し、江戸年間に起きた多くの飢饉で人々を飢餓から救ったといわれています。

江戸後期にはさつまいもは広く普及し、レシピ本「甘藷百珍」も出版されるほどに。とくに手軽につくれる焼きいもは江戸の町で大人気のファーストフードだったとか。砂糖はまだ高価で庶民には手が届かなかったので、さつまいもの甘みはどれだけ美味だったことでしょう。

「甘藷(いも)百珍」江戸時代のベストセラーレシピ本「豆腐百珍」の人気に乗り、寛政1年(1789 年)に出版。123品のサツマイモ料理を掲載。

野永喜三夫

日本橋の老舗割烹「日本橋ゆかり」三代目主人。「露庵 菊乃井」で修業後、25歳で跡を継ぐ。

SPOT

日本橋ゆかり

所在地:東京都中央区日本橋3-2-14
電話:03-3271-3436

(2022年秋の号掲載) 
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。