天ぷらを食べに
2022.01.06
天ぷら銀座おのでら 東銀座店(東京・東銀座)石井宏道
銀座の天ぷらを見て食べて、味わってくつろいでください
歌舞伎座の向いから少し入ったところにある「天ぷら銀座おのでら東銀座店」。銀座界隈の喧騒からは少し離れた立地で、落ちついて天ぷらを楽しめると好評だ。
揚げ場を預かるのは、石井宏道料理長。旧日航ホテル東京(現ヒルトン東京お台場)の日本料理で7年、天ぷらカウンターで7年間修業を積み、34歳で姉妹店の「並木通り店」の料理長に就任し、2019年に東銀座店が新たに開業するとともにこちらに移り今に至る。幼少の頃から実家の目と鼻の先に親戚が営む天ぷら店があり、天ぷらは身近な存在。高校生の頃から店でアルバイトをし、迷うことなく天ぷらで身を立てることにしたという。
「カウンターで食べる天ぷらは五感で味わう料理で、おいしくて楽しい。でも寿司の勢いに押されている感じがして、ちょっと悔しいんです。天ぷらをもっと知っていただけるようにますます頑張りたいです」
同店はハレの日にそぐわしい雰囲気や演出、ホスピタリティを大切にしている。天ぷらのカウンターはいわばオープンキッチンであり、シェフズテーブルのようなもの。きらめくばかりに美しい銅の揚げ鍋、特注の備前焼の台付きの天ぷら皿、ゆったりと腰を落ち着けることができる肘掛けの椅子…などなど、店内の空間のあらゆるものに細かい心配りがなされている。活けの状態でお客に見せてから目の前で穴子をさばくなど、エンターテインメイント性も高い。
「揚げ油は太白胡麻油だけで、軽く揚げます。太白胡麻油で揚げる衣はごまのうまみを含んで、ほんのりと甘くなり、それが素材の繊細な味を引き立てます。これ以外考えられないですね」
と石井さんはいう。天ぷらは正統派のものから、一品料理仕立てにするものまで多彩。日本料理の修業経験を発揮し、海老やキスを昆布締めにして揚げたり、天つゆや塩以外の味で食べさせたりと、工夫を凝らす。コースで食べても飽きず、食べるほどにお酒が進むようなバリエーションも人気がある理由のひとつだ。また食べたい、また来たい、そう思わせる魅力が同店にはあふれている。
SPOT
天ぷら銀座おのでら 東銀座店
所在地:東京都中央区銀座5-14-14 サンリット銀座ビルⅢ4F
電話:03-6278-8196
営業時間:平日11:30~15:00(最終入店13:00)、18:00~22:00(最終入店20:00)、土日祝の昼は11:30~13:00(前半)、13:30~15:30(後半)
休業日:無休
東京メトロ日比谷線、都営浅草線東銀座駅徒歩1分
https://onodera-group.com/
ランチ5500円~、ディナーは料理長おまかせコース2万2000円~。
(2021年冬の号掲載)
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。