【なごみのおやつスイーツ1】つくり方を初公開！札幌で知らない人はいない洋菓子店「パールモンドール二十四軒店」の名作「クリームパフ」｜ごま油の四季｜マルホン胡麻油

＜シリーズリスト＞

パールモンドール二十四軒店の至極の洋菓子「クリームパフ」

札幌の洋菓子店「パールモンドール」は昭和46年創業。｢おいしいってこういうこと｣と感じるお菓子をつくりつづけています。二十四軒店で本邦初公開、銘品クリームパフのつくり方をみせていただきました。

「パールモンドール」は札幌で知らない人はいないほど、地元密着で愛されている洋菓子店。生ケーキも焼き菓子もやさしい味わいにあふれています。
「うちのお菓子には職人の情熱と愛情がこもっています。だからおいしいんですよ」
と初代から継いで同店の味を守る下出英世専務。この道50年超の生地担当の西川誠一さんとともに、お店の工房で毎日おいしいお菓子をつくっています。
ご紹介するクリームパフは、その名の通り、まるでパフのようにふわっふわなスポンジ生地で、ミルキーで濃厚な生クリームをオムレツ形にサンドした人気商品。とてもシンプルな洋菓子ですが、スポンジ生地のほろほろとはかないほどのキメの細かさは、職人魂あふれる西川さんの「目でみて、指で感じて」つくる細心の気づかいがあってこそのものです。
実はこのキメ細かさと口溶けの秘密は、薄焼きのこの生地だからこそ可能。小麦粉はギリギリまで少なくし、そのかわりに別立ての卵黄とメレンゲの両方を時間をかけてしっかり泡立て、とても細かい気泡を密に含ませ、ふっくらとふくらませます。
生地の気泡を保った状態で焼くため、一度の仕込みは天板７枚分のみ。下火は弱く、上火を強めの火加減で、水分をなるべく蒸発させずにしっとりと焼きあげます。
工房からお届けする初公開のレシピとともに、愛情込めたおいしさを感じとってください。

生地担当の西川誠一さんは、小樽「洋菓子の館」で働いたのち、「パールモンドール」へ。50年以上のキャリアと愛情で日夜おいしいお菓子づくりを志す。

クリームパフのつくり方

RECIPE

クリームパフ

材料

※ 材料・分量表は本誌「ごま油の四季」に掲載しています

太白胡麻油とバター、生クリームを合わせて湯煎にかけておく。（太白胡麻油は軽くふわふわの生地にするため、発酵バターは香ばしい香りのために両方欠かせない）
卵白はあらかじめ冷凍庫で半凍結させ、繊維を壊してコシをなくし（＝水様化）、泡立ちやすくする。
2をミキサーボウルに入れ、あらかじめイナゲルと混ぜたグラニュー糖を入れて高速で泡立てる。あえてグラニュー糖は一度に入れて立ちにくくし、時間をかけて泡立てて、細かい気泡をたっぷり抱かせる。
気泡が密でクリーミーな質感になり、角がほんの少しおじぎするメレンゲに。
卵黄とグラニュー糖を混ぜて湯煎で人肌に温め、ミキサーで高速で泡立てる。ホイッパーの跡が残るようになったら、中速に下げ、気泡が細かくもったりするまでさらに時間をかけて泡立てる。
5に4のメレンゲの半量を入れ、手でざっと30回くらい混ぜる。（気泡をつぶさずにどれだけ早くオーブンに入れられるかが勝負）
合わせてふるった薄力粉とベーキングパウダーを加えながら混ぜ、残りのメレンゲも加えて混ぜる。
ハチミツを沸騰させ、1に加えて混ぜる。ここに7を2すくい入れて泡立て器で混ぜ合わせ、7にもどして混ぜる。
生地のできあがりはもったりとして、混ぜた跡がしばらく残る。
比重のチェック。9を90ml容量のプリンカップに入れてすり切り、36～37gかどうかを確認する。
天板（直径12cmの円を6個描いた紙を敷く）にうず巻き状に50gずつ絞る。絞り跡が残り、すぐに広がらない気泡の力が強い生地。気泡が消えないうちにどんどん絞ってオーブンに入れていく。
上火190℃／下火130℃のデッキオーブンで計12分焼く。まず7分焼き、天板の向きを変えて2分、あとは1分ずつ3回向きを変えて焼きあげる。4台のオーブンで天板2枚ずつ焼くので、最後のほうはタイマーに追われて大忙し。
焼きあがったら、天板ごと軽く台に打ちつけて蒸気を抜いて冷ます。（甘くいい香りと、ふっくらとしておいしそうな色）
仕上げ。上面に粉糖を網でまんべんなくふり、紙ごと上下を返して紙をはがす。
紙をはがした面の縁以外にカスタードクリームを薄くぬり、中央に泡立てた生クリームを星口金で絞り、生地を軽く折りたたむ。両端は少なめ、真ん中を多めに絞るのがポイント。（生クリームの絞りで見た目も美しい仕上がりに）