特集創業300周年記念フランス大特集 ごまの大冒険
2025.05.15
まるで、皿に咲くアート。パリの星つきラグジュアリーホテルで腕を振るう2人のシェフが、ごまからインスピレーションを得た品々
料理人のボリス・カンパネラ、パティシエのマチュー・カーランが出会ったのは今から20年前、ともに働いていたサヴォワ県シャンベリーのレストランでした。それ以来、二人は固い友情で結ばれ、互いを刺激しあって成長し、現在はパリ有数の星つきラグジュアリーホテルで料理、パティスリーのエグゼクティブシェフに就いています。二人がごまからインスピレーションを得た皿のコレクションをお届けします。
※レシピはページ末にあるリンクからご覧ください。
キオッジャビーツと燻製ウナギの照り焼き、白ごまペースト
Betterave Chioggia et anguille fumée laqué, pâte de sésame brune

ビーツと白ごま
日本で食べたウナギの蒲焼きをオマージュし、薫香やゼラチン質な食感とビーツやホースラディッシュといった根物野菜を美しく組み合わせた一皿。折り紙を模した生のキオッジャビーツでつくるラビオリは、フィリングの酸味が立ち、ウナギの印象を軽やかで上品に感じさせる。赤ワインと見事なマリアージュ。
エルキ湾のホタテ貝、黒ごまとザクロのモラセス入り栗の煮込み
Les noix de coquilles saint jacques de la baie d’Erquy, mijoté de châtaignes au sésame noir et mélasse de grenade

栗と黒ごま
ブルターニュ地方のエルキ湾で揚がった帆立貝に、薪火で焼いた香ばしい栗のふわふわシフォンソースをサーブして提供。栗のソースは純ねり胡麻 黒ソフトパウチを上に絞り、黒ごまの香味をダイレクトに表現し、皿に盛り込まれた帆立と栗をつないでいる。フランス料理で黒ねり胡麻がさり気なく冴える。
柚子と黒ごまプラリネのスティック
Stick yuzu et praliné sésame noir

柚子と黒ごま
すっと細長いシェイプと、透けそうに薄い柚子のホワイトチョコレート。この繊細なビジュアルの内側に真っ黒な黒ごまプラリネが潜み、白黒のコントラストがエレガントな印象を与えながらも、驚きを演出する。「柚子と黒ごまのコンビネーションはマジックのよう」(カーランシェフ)。柚子の酸味は果汁そのままのようにすっぱく、その酸味を黒ごまプラリネが丸く調える。
トロピカルセザムチーズケーキ
Entremets sésame

トロピカルフルーツと黒ごま
「マンゴーとパッションフルーツそれぞれと黒ねり胡麻。これらを口に入れたときに、すばらしいマリアージュを感じることができました」とカーランシェフ。ケーキにフォークを入れると、パッションフルーツのチーズケーキムースから、黒ごまプラリネやマンゴー、パッションフルーツがとろりと流れだす構成。側面にはごま油でつくったしなやかなビスキュイ・ジャポネが巻かれている。
デセール・セザム
Dessert sésame

クレモンティーヌと白ごま
白ねり胡麻がまろやかなパルフェ・グラッセを主役に、繊細なセサミサブレの軽い食感、クレモンティーヌ(柑橘類)や柚子の酸味を合わせ、キレのあるシュゼットソースをサーブして提供。「シュゼットソースはキャラメルを柑橘の果汁でデグラッセしてつくりますが、キレをだすために米酢を入れました」。食後のデセールにふさわしい華やかさと軽さのハーモニー。

Boris CAMPANELLA
1977年生まれ。「トロワグロ」などで修業を積み、「シュヴァル・ブラン・クールシュヴァル」「オテル・ド・クリヨン」のエグゼクティブシェフなどを歴任。
Instagram@boriscampanella
マチュー・カーラン(右)
Matthieu CARLIN
1980年生まれ。「ピエール・ガニエール」「シャングリ・ラ パリ」「リッツ・パリ」を経て、「ギー・サヴォワ」「オテル・ド・クリヨン」のシェフ・パティシエなど要職に就く。
Instagram@matthieu_carlin
レシピ
https://gomashiki.gomaabura.jp/content/uploads/2025/03/gomashiki154_web_hoteldecrillon_J.pdf

Les recettes en français
https://gomashiki.gomaabura.jp/content/uploads/2025/03/gomashiki154_web_hoteldecrillon_F.pdf

(2025年春の号掲載)
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。