特集100年先の未来

2026.02.26

2025年注目の一人、パリ「プレヴェル」のメデールシェフが牽引するプラントベースのガストロノミー


現在過去未来、食文化は常に変化しつづけます。京都「一子相伝なかむら」の中村元紀さんの若い感性、パリ「プレヴェル」のロマン・メデールシェフのプラントベースの視点で、100年先につなぐ想いを語ってもらいました。

Romain MEDER パリ「Prévelle」

「主役は野菜」の意識変化。食の主流になるプラントベース

プラントベースの潮流を牽引するロマン・メデール氏が「プレヴェル」を開業してから半年以上。食の未来を見据えたナチュラリテの理念を掲げています。
「自然に敬意を払い、環境負荷の大きい肉よりも野菜、穀物、魚介を生かします。15年以上そばで働いたアラン・デュカス氏の座右の銘でもあるこの概念は、田舎の農家に生まれ、まるで野生児のように野菜を片端から食べて育った私にとって共感できるものでした」
とメデールシェフ。100年先に向かい、プラントベースはまちがいなく食の主流になると語ります。「テーブルをバンバン叩いて野菜を食べなさい」といっても、人間は変わりません。論より証拠、おいしく、食欲を満たすプラントベースの料理をつくり、意識の変化に働きかける、それが料理人としてすべき仕事だといいます。
そんなメデールシェフが、カボチャの前菜をごま油とともに紹介してくれました。フランスでは秋以降、多品種のカボチャが収穫されますが、なかでも味わい深いミュスケ・ドゥ・プロヴァンス(バターナッツカボチャ)の魅力を多彩に表しています。
「ごま油はスパイスと同じ立ち位置、もしくは仕上げにひとふりするフルール・ド・セルのように、素材の輪郭を浮き立たせる調味料。ごまを煎った香りは、香ばしさのレリーフだけでなく、料理全体に丸みを与えてくれる存在です」
元気が出そうなビタミンカラー。こまやかに手を掛けた味わいを重ね、カボチャのプラントベースの皿を仕上げています。

カボチャ、クレソン、セサミオイル

Courge, cresson & huile de sésame

肉と同じ目線で調理する、だからプラントベースでも骨太。

RECIPE

ケチャップ

材料/10人分

カボチャ…500g ハチミツ…大さじ1 クローブ…適量 グリーンカルダモン…適量 乾燥フェンネル…1枝 ニンニク…1かけ レモン汁…1個分

  1. カボチャを小さい角切りにする。
  2. 鋳物鍋にハチミツを入れて火にかけてキャラメル状にし、クローブ、グリーンカルダモン、フェンネル、きざんだニンニクを加え、続けて①を加える。レモン汁でデグラッセし、カボチャが柔らかくなるまで加熱する。
  3. フードプロセッサーでなめらかになるまで撹拌する。必要に応じて味を調整する。

RECIPE

カボチャ

材料/10人分

カボチャ…大きなくし形5切れ 塩、コショウ…各適量 ニンニク…3かけ ショウガ…1かけ 乾燥フェンネル…2枝 太白胡麻油、太香胡麻油…各適量

  1. カボチャに塩、コショウをし、ニンニク、ショウガ、フェンネルとともにアルミホイルで包む。
  2. 180℃のオーブンで15~20分焼く。
  3. 冷ましてから厚さ1cmほどにスライスする。鋳物鍋に太白胡麻油と太香胡麻油を同割でひいて火にかけ、両面を焼く。

RECIPE

カボチャの種のプラリネ

材料/10人分

カボチャの種…250g 卵白…10g フルール・ド・セル…7g

  1. カボチャの種、卵白、フルール・ド・セルを混ぜ合わせ、シルパットに広げる。160℃のオーブンで20~25分ローストする。
  2. 熱いうちにミキサーにかけてなめらかにし、必要に応じて水(分量外)で濃度を調整する。

RECIPE

クレソンのジュレ

材料/10人分

クレソン…1束(絞り汁66g) 葛粉…18g

  1. クレソンをジューサーにかけ、漉す。漉しとった葉は裏漉しし、「米のニョッキ」で使う。
  2. ①の漉した汁を加熱し、葛を加えてゼラチン状になるまで煮る。
  3. クッキングシート上に広げ、上にもクッキングシートをかぶせる。冷まして固め、6cm角にカットする。

RECIPE

カボチャのジュ

材料/10人分

カボチャ…2kg 太白胡麻油…適量 エシャロット…100g ニンニク…1かけ 乾燥フェンネル…1枝 無塩バター…適量 野菜のブイヨン…500ml

  1. カボチャの皮をむいて大きめに切る。太白胡麻油をひいた鋳物鍋でローストする。
  2. エシャロット、ニンニク、フェンネル、クルミ大のバターを加えて全体をよく炒め、野菜のブイヨンを加えて35分煮る。
  3. ジューサーにかけ、漉す。

RECIPE

米のニョッキ

材料/10人分

カボチャのジュ(上記)…750g 米…300g カボチャのジュ(上記)…適量

  1. カボチャのジュに米を4時間浸し、なめらかになるまでミキサーにかける。室温で2日発酵させる。
  2. 塩を入れたお湯に絞り入れてゆで、冷ます。
  3. カボチャのジュ適量と②を混ぜ、「クレソンのジュレ」でとっておいたクレソンを合わせて濃度をつける。

RECIPE

仕上げ

材料/10人分

黒コショウ…適量 ローストしたカボチャの種…適量 カボチャの茎のピクルス…適量 クレソン…適量 圧搾純正胡麻油…適量

  1. 深皿にカボチャの種のプラリネを広げ、カボチャを2切れのせ、黒コショウをふる。カボチャの上にクレソンのジュレをかぶせ、ローストしたカボチャの種、スライスしたカボチャの茎のピクルスを添える。
  2. ケチャップを絞り、クレソンの小枝を添える。
  3. カボチャのまわりに米のニョッキを盛りつけ、仕上げに圧搾純正胡麻油を少しずつたらしてツヤをだす。

テーブルの花器には力強さを訴える野菜。「全素材の生産者を知り、必要な量を無駄なく使う」(メデールシェフ)

1978年、フランス・オート=ソーヌ県生まれ。アラン・デュカス氏に才能を見込まれ、2006年からデュカス・パリグループで研鑽を積み、パリ「Alain Ducasse au Plaza Athénée」の料理長時代にミシュラン三ツ星を獲得。同グループのプラントべースレストラン「Sapido」でも料理長を務めた。2025年4月にパリに「Prévelle」を開業。

La recette en français
https://gomashiki.gomaabura.jp/content/uploads/2025/12/gomashiki158-web_prevelle_251208.pdf

SPOT

Prévelle プレヴェル

所在地:34 rue Saint-Dominique
75007 Paris
電話:01 40 67 12 12
https://prevelle.fr/

(2025年冬の号掲載)
※掲載情報は取材時点のものとなり、現在と異なる場合がございます。